天気が良すぎる日に急に屋外で過ごしたくなってGoogleマップを見ながら、近場でまだ行ったことがなさそうな場所を探していると『水分峡』というところが気になったので行ってみることにした。
準備を整えて家を出る頃にお腹がグゥ~~と鳴る。分かりやす~く催促されたのでまずは腹ごしらえということで、最近気に入っているお店で昼食をとることにする。
じぞう通りに出来た《スープカリーKING》。
これまでスープカリーは全く食べてこなかったのだが、昨年、人生で初めて食べた時にとても感激した。その時は、別のスープカリー店でいただいたのだが、野菜たっぷり&スパイスと旨味豊かなスープが抜群に美味しくて、すぐに虜になってしまった。
その後、広島市内に開店したスープカリーKINGを利用させてもらっているが、店内の雰囲気もスタッフの丁寧な対応も良いお店で、ちょっとクリーミーで濃厚なスープカリーを堪能している。最初はスープカリーの食べ方自体が謎であったが、今では我流を身につけてフォーク、ナイフ、スプーンの3本を巧みに使い分けて華麗に食べられるようになった。
この日は、6月限定の『北海道産アスパラとほたてのバターソテーカリー』をいただいて、満足して店を後にした。
途中、多家神社に寄って軽く参拝をする。この神社は、入り口の堂々とした鳥居と階段から始まって、境内は結構広々としていて良い空気の流れを感じる神社なのでお気に入りスポットのひとつ。近くを通る時には必ず立ち寄っている。
快晴の中、気持ちよくSTRiDAをこいで辿り着いたのは水分峡森林公園。
遠くの方で鳥が鳴いていたり、河原で子供たちがはしゃいでいるのが聴こえてきて楽しそうだ。水分神社を通り抜けると、小さな滝がザァーーと涼しげな水音を発して手招きしている。
この日は、FUJIFILM X-E1に、最近入手した広角オールドレンズ YASHICA AUTO YASHINON-DX 28mm F2.8 をつけてきた。開放f2.8~f4くらいまでは実用に耐えない程にかなりピント面のシャープネスが甘いレンズなのだが、f5.6以上に絞ると途端に精悍な描写をしてくるのでビビった。
開放のシャープネスの低さを見て、入手直後はがっかりしたのだが、f5.6以上に絞ってX-E1の白黒性能の高さと合わせると途端にお気に入りレンズの1本として浮上してくるのだから、オールドレンズというのは使ってみないと本当に分からない。
このミニ滝は手持ちで撮影したのでシャッタースピードを落とすのも1/25が限界だったが、次は三脚とNDフィルターを装備してきて、長時間露光で滝をもっと素敵に撮ってあげたいものだ。
水分神社を抜けた先にある登山道の入口から入って、いよいよ高尾山に登っていく。
あまり調べもせずに思い立って急に行ったので、どの程度の標高なのか、登山道はどのような感じなのかは全く分かっていなかったが、水分だけは必須なのでスポーツドリンク1本をショルダーバッグに忍ばせて出発した。
登山道は一様ではなく、階段で登りやすかったり、砂地でザラザラと滑りやすかったり、岩場で足の運びを考えながら越えていかなければならなかったりと、なかなかに良い運動になった。
高尾山の標高は424mで、弥山の535mに比べるとかなり低いのだが、弥山の登山道がかなり整備されていて登りやすいのに対して、高尾山は場所によってはそれなりの身体能力が必要な場所もあるのでちょっと大変かもしれない。登頂時間は、私の場合はどちらも1時間くらいであった。
登山道を越えて、岩谷観音寺跡付近には年季の入ったお地蔵様が声も無く眼を閉じて鎮座されていた。きっと長い月日、こうして登山者たちを見守ってきたのだろう。有難い。
巨岩に掘られた大日如来に手を合わせて、いよいよ観音様が居る頂上に近づく。
暑さに呼吸が乱れる中、広島市内を一望できる光景はなかなかに爽快で、しばしの間、ただ鳥の鳴き声だけが遠くに響くのを感じながら街に、遠景の島々に、広い空に浸っていた。
頂上の観音様は空を背負い陽光に照らされ穏やかだ。
今の世界を見つめ、何を想うのだろう。
山頂の心地よさに包まれてしばらくの間、景色を眺めてゆっくりと過ごした。
もう少し直射日光でも心地よい季節なら、弁当と本を持って行ってチェアリングするのも最高に素晴らしいかもしれない。
途中にあった散策マップによると道はまだ先に続いているようだったのだが、この日はここまでで引き返すことにした。こんなに街が一望できるのなら、次は三脚やヘッドライトをしっかりと装備してゆったりと夜景を撮影しに来たいと思う。
また一箇所、広島でのお気に入りスポットが増えた。