20240728

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広島みなと夢花火

Nikon Df:Ai NIKKOR 28mm F2.8:ISO100 f11 11sec.

数年ぶりに《広島みなと 夢 花火大会》が復活するということで、今年はちょっと距離のあるところから街の夜景を含めた風景として花火を愉しんでみようと思い立った。

打ち上げ場所は広島港なので、その場所を見渡せそうなちょうどよい距離感の高台というと黄金山になるのだが、そもそも方角的に見えるのかどうか分からなかったので、数日前に行って確認してみることにした。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SL II Aspherical:ISO800 f2 1/50

日中に行くと高温過ぎて危険なので早朝に行く。黄金山は疲れるほどの登り行程ではないのだが、この季節は早朝といえども途中から汗が止まらず登り切る頃にはすっかり汗だくになってしまう。そんな早朝の黄金山では朝陽と眼の綺麗な猫さんが出迎えてくれた。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SL II Aspherical:ISO200 f2 1/250

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SL II Aspherical:ISO200 f2 1/250

この時間帯の猫さん達はまだ眠いのかあまり活発に動き回っておらず、ほとんどの子は丸くなってぼぅーとしている様子であった。そんな中、白茶の子だけは草をはむはむしたり、スズメを追いかけたり、地面の匂いを追跡したり、スズメを追いかけたり、遭遇した人間にちゅ~るを貰って撫でられたり撮られたり、スズメを追いかけたりして元気いっぱいだった。

猫さんとも遊べたし、さぁ帰ろうかな‥と思ったところで忘れていた目的を思い出した。

花火の打ち上げ場所が見えるのかどうかを確認しに来たのだ。山頂の展望台に行けば、問題なく見えることが分かったのだが、ここはきっと人が多くなるだろうし、壮絶な場所取りなどもありそうなので避けることにした。

山頂から少し下った歩道からも見えることが分かった。手前の木で夜景が少し遮られてしまうが十分だろうと思い、当日はこの場所で撮影することに決めた。ここの柵の手すりはちょうどよい太さでクランプ雲台を使える強度があることも確認できたので、必要以上にスペースを占領してしまわないように三脚を使わないで撮影することにする。

当日は鑑賞する場所を確保するためと、宇品周辺は交通規制などもありスムースに移動できない可能性も考えて、打ち上げの1時間半前には到着できるように行動する。黄金山に到着するとすでに鑑賞場所を確保している人が結構いたが、私が想定していた場所は少しだけ空いていたので良かった。

場所取りをしている中にはシートやチェアや三脚を放置して、人が居ないところも多くある。こういう光景を見ると改めて平和な国だなと思う。大抵の国の場合、こんな場所に物を放置しておいたら持っていかれて終了‥だと思うのだが、そうならないのは外国人から見ると驚愕の光景らしい。とはいえ、私は自分の撮影機材を放置して離れようとは思わないが。

カメラのセッティングも終わり、日没の夕景をゆったりとした気分で眺めているうちにドーーンと打ち上げが始まる。

Nikon Df:Ai NIKKOR 28mm F2.8:ISO100 f16 20sec.

宇品周辺の街の夜景に色とりどりの花火が高く立ち上る。

Nikon Df:Ai NIKKOR 28mm F2.8:ISO100 f16 15sec.

Nikon Df:Ai NIKKOR 28mm F2.8:ISO100 f16 20sec.

ぱぁっと輝いては消え、ちらちらと光って舞っては消えていく。

日本の花火は品があっていいなと毎回思う。海外の花火は「火」のイメージだが、日本の花火は「花」と呼ぶに相応しいということを、遠景として眺めた今回はっきりと感じ取ることができた。それはまさに街の夜景に活けた花のように見える。

Nikon Df:Ai NIKKOR 28mm F2.8:ISO100 f16 21sec.

刹那の芸術に見惚れているとあっという間に時は経ち、最後の豪快な演出で花火大会は幕を閉じる。近距離で視界いっぱいに広がる花火も素晴らしいが、遠くから眺める花火にもまた違った美しさや風情が感じられてとても良かった。

今回、ひとつ印象的だったのが、こういうちょっと離れた場所を選ぶ人々の特徴なのか、我が我がと押し合いへし合いすることもなく、あちらこちらで譲り合いの光景が見られたこと。ちょっとスペースが空いていれば「ここいいですか?」と声を掛け「どうぞどうぞ」とちょっと詰めて場所を空けてあげる。皆んなで花火を愉しみましょうという自然な空気が流れていて、とても穏やかな世界になっていた。

さて今年の夏はあと何回、花火を観ることができるだろうか。

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