サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う- 感想
2023年06月04日
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サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-をクリアしたので感想を。ネタバレありなので注意。
最近続編となるサクラノ刻が発売され、滅茶苦茶高評価ということだったので前作である詩からプレイしてみました。
かなりボリュームのある作品でしたが、何よりスロースタートさが辛かったです。
とにかく序盤がつまらないのが難点
最後までプレイすると非常に良いゲームなのですが、とにかく序盤がつまらないのが最大のマイナスポイントですね。
共通ルートは2章の絵の完成で盛り上がるのですがその後再び失速。
最初の2ルートである凛、真琴のルートがひたすらつらかったです。
逆にそこを超えた後は一気に面白くなるんですけどね。
日常シーンが合う合わないは個人差があると思いますが、個人的にはギャグ含めて面白いと感じられず、中々読み進めるペースが上がりませんでした(途中で天使騒々に浮気してそっちを先にクリアしたくらい)
男性サブキャラが微妙なのも問題ですね。
明石なんかは2章で印象が変わりますが、トーマスは最初から最後まで不快でした。
あとは構成上仕方がないとはいえ、後半明らかになる情報が伏せられすぎているために読んでいてモヤモヤするのも退屈さに拍車をかけていましたね。
明らかに含みを持たせた表現が散見されるので、2周目をプレイすると見え方が変わるだろうなぁと思う場面が多々。
この手の主人公とプレイヤーの持つ情報量に差がありすぎるゲームは苦手なんですよね。
引用多すぎ問題
あと気になったのが過去の偉人の言葉や作品の引用が多すぎる点。
そもそも高校生の登場人物が会話の中で突然偉人の名言を引用するってなにごと?
まぁ、登場人物は年頃だから中二病的な感じで読んだ本の言葉を使ってみたくなるのは分からないでもないですが、それを複数人が実施するのは違和感しかない。
しかもいい年した大人までそれをやりますからね。
普段の会話でいきなりおっさんが偉人の名言とか語りだしたらドン引きしますよ・・・
これは軌跡シリーズで誰も彼もが同じ表現を多用してキャラの背景にライターが透けて見えるのと同じ現象で、正直言って冷めます。
この引用が赤ずきんや幸福な王子くらい有名なもので、かつ本筋にがっつり絡むくらい複数回出てくるのであれば表現技法として理解できるのですが、一般人なら名前しか知らない偉人の名言がチラッと出てくるだけでは正直言って読みにくいだけ。
元ネタを知っていたり調べるバイタリティがあれば興奮するのかもしれないですが、私には内輪ネタで盛り上がってるようにしか見えませんでした。
中盤以降の盛り上がりは素晴らしい
と、ここまで酷評してきましたが3人目の里奈ルートは普通に面白く、さらに雫ルート以降はずっと面白い。
それまでばら撒かれていた伏線が回収されていき、過去のやり取りの意味も理解できるようになっていくのは序盤を耐えた甲斐があったというもの。
最初の2ルートでは作品を描くことのなかった主人公が(過去の話もあるものの)作品を作り上げるシーンが全て格好いい。
里奈ルートの過去話、雫ルートの櫻七相図、TRUE、エピローグの作品作りと各章で見どころが用意されており、序盤のなぜ絵を描かないのかというフラストレーションを解消してくれます。
特に櫻七相図の作成は健一郎のキャラがよかったこともあり、一番好きなシーンですね。
エピローグに関しては続編前提感がある内容なので、刻未発売であればちょっと物足りなかったかも。
総評
★★★★★★★★☆ (8.5/10.0)
中盤以降の盛り上がりはかなりもので、特に雫ルート以降は一気に読み進められる面白さでした。
一方で序盤の退屈さと引用の多さがマイナスポイント。
かといって日常パートにも伏線が張られていることもあり、スキップすればよいというわけでもないので、序盤を乗り越えることが出来るのかが一番のハードルだと思います。
序盤さえ乗り越えてしまえばあとは十分に面白いゲームだったので、刻にも期待してプレイしようと思います。
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