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結婚式のメンバー (新潮文庫) 文庫 – 2016/3/27

4.5 5つ星のうち4.5 61個の評価

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この街を出て、永遠にどこかへ行ってしまいたい――むせかえるような緑色の夏に、十二歳の少女フランキーは兄の結婚式で人生が変わることを夢見た。南部の田舎町で、父や従弟、黒人の女料理人ベレニスとの日常に倦み、奇矯な行動に出るフランキー。狂おしいまでに多感で孤独な少女の心理を、繊細な文体で描き上げた女性作家の最高傑作。≪村上柴田翻訳堂≫第一弾、村上春樹の新訳!

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結婚式のメンバー 心は孤独な狩人
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【新潮文庫】カーソン・マッカラーズ 作品 多感で孤独な少女の姿を、繊細な筆致と音楽的文章で描いた米女性作家の最高傑作。村上春樹が新訳する《村上柴田翻訳堂》シリーズ。 アメリカ南部の町のカフェに聾啞の男が現れた。暗く長い夜、重い沈黙、そして小さな希望。マッカラーズのデビュー作を新訳。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2016/3/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/3/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 336ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102042024
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102042021
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 61個の評価

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翻訳についての実に些細なことなど
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翻訳についての実に些細なことなど

 本書の内容については、諸レビュワーの方々が見事なご感想を述べていらっしゃいますので、僕は翻訳について、ちょっと気づいたことをトリビアルに述べさせていただきます。 本書(村上春樹訳)は数年前に読みましたが、今回別の訳者によるものを入手しましたので、それと英文との3つを比較してみました。英文のものは”The MEMBER of the WEDDING”(Mariner Books 2004年)、あと「結婚式のメンバー」渥美昭夫訳(中央公論社 昭和51年3版)で、英文版も渥美訳もアマゾンで購入いたしました。なお、始めたばかりで三分の一くらいしか進んでいない段階でのコメントですが。1.主人公が自分の長身に不安を抱き、このままでは奇形のような大女になってしまうと考える場面です。村上訳では(38ページ)「18才の誕生日まで背が伸び続けるとしたら、それまでに5年と6分の1年という歳月」がたち、この一年のように4インチ伸びるとすると「なんと、身長7フィートを超える大女になってしまうのだ」とあります。この「7フィート」についてです。 英文を見てみますと” --- she would grow to be over nine feet tall.”とあります。7フィートじゃなくて9フィートです。渥美訳も「9フィート」になっています。主人公は8月に12才(プラス6分の5歳)になり、身長は5フィート5インチ(プラス4分の3インチ)で、18才の誕生日までにあと5年と6分の1年あるとあります。1年4インチ伸びるとして計算してみますと、たしかに18才には7.2フィート程になります。     5年と6分の1年=5.17年  4インチ×5.17=20.68インチ=1.72フィート     5フィート5.75インチ=5.48フィート 5.48+1.72=7.2(フィート)≠9フィート 村上氏は計算間違いに気づき、訂正したのでしょうか。ただ、原作者はどう考えてこう記述したのか。わざと間違えて誇大にしたとか、主人公の少女が恐怖の余り計算間違いをしたとか考えられないでしょうか。原作の出版は1946年です。この計算間違いは多くの編集者や読者が気づき、原作者にも当然そのことは耳に入ったでしょう。それでも、未だに訂正されていないのはどうしてなのか。2.主人公が管楽器の演奏を聴く場面があります。村上訳「--- サキソフォンが演奏を始めた」(89ページ)英文を見てみます。”--- a horn began to play”(44ページ)とあります。渥美訳では「--- ホルンの音が鳴り出した」となっています。たしかに演奏されるのはブルーズ(さすが村上氏です。日本ではブルースと言い慣れていますが、ブルーズが正しいのだとか)やジャズとありますから、ホルンよりはサキソフォンのほうが似合うような気はします。村上氏は大変にジャズに造詣が深い方ですから、サキソフォンだよと考えられたかどうか。アメリカではサキソフォンをホルンと呼ぶことがあるのかどうかは、いろいろ当たってみたのですが、わかりませんでした。 ここで研究社のリーダーズ英和辞典でhornを調べてみましたら、意味の一つに「《楽》ホルン:《ジャズの》管楽器(奏者)、《特に》トランペット(吹き)」とあります。この解釈ならサキソフォンでもいいのかと思いますが、ホルンは金管楽器ですから、リードを持つサキソフォンよりトランペットにしてくれた方が納得できるように思います。3.以下は楽しい感想です。村上氏は時々、随分難しい言葉をお使いになります。「遮眼帯をつけられたラバ」(97ページ)。渥美訳では「 --- 騾馬が目かくしをされて」です。英文では ”--- blindered mules”です。リーダーズ英和辞典をひいてみましたらblinderとは「馬勒につけて外方視野を遮断する 側面目隠し、遮眼帯」とあります。ははあ、これか、「ばろく」?「しゃがんたい」?難しい言葉です。それにしてもラバは一頭じゃなかったんですね。 157ページに「豚の腿骨入りのホッピンジョン」が出てきます。渥美訳では「骨つきのハムで料理したシチュー」です。英文では”--- hopping-john cooked with the ham bone,”です。実は以前、この話を読んだ時にホッピンジョンを作ってみたのです。主役の黒目豆はアマゾンさんのお世話で入手しました。アメリカ南部の味というのを少し実感した気がしました。黒目豆はアフリカ西部から来たとか。アメリカ南部の歴史を考えます。再度作ってみたので写真を添付します。色が全然悪いですけど。 ham boneは骨付きハムですが、hamboneとすると「演劇でステレオタイプな黒人を演じる役者。黒人の訛りを真似する人」(net Weblio英和辞典)だそうです。  最後までトリビアルばかりですみません。 なお、以上の考察は僕が所持する英文テキストに基づくもので、多分、村上氏が参照されたテキストとは同じものとは考えにくい。そのことは明示しておきます。
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上位レビュー、対象国: 日本

2021年2月27日に日本でレビュー済み
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マッカラーズの作品は初めて。
村上春樹訳ということで、『心は孤独な狩人』を購入したのですが、訳者解説で、まずこの作品を翻訳したということを知り、先にこちらを読み始めました。
一言で言って、本当に素晴らしい。
瑞々しく鮮やかに情景が浮かび上がってくる文章。
忘れかけていた、若さ故に抱く混沌とした感情をそっと、しかし確かに呼び戻すストーリー。
こんな素晴らしい小説が、この世界にあることに感謝です。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年11月8日に日本でレビュー済み
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きれいで気持ちよく読めました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年4月4日に日本でレビュー済み
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あの時代のアメリカにはこういう景色があったと感じさせる作品。
戦争のさなかでも、町中には日常があり多感な12歳は結婚式を転機にする。
あの時代、今よりも色々な出来事や考えがあり、そんな中で人間はしっかりと生活していたのだと思う。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年2月11日に日本でレビュー済み
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ざっくり言ってしまうと兄の結婚式を機に街を出ようと考えている12歳の少女の行動と心理を描いた物語。

父、従弟、女料理人との日々にうんざりしていて、同年代の少女たちとも距離を置いている。
田舎町での変化のない毎日だが、兄の結婚式に出席するため遠出をするタイミングで街を出たい。
結婚式の前日に街を経巡りながら何人かに結婚式出席の話をするが誰も反応してくれない。
街からの脱出計画もうまくいかない。

そんな話だが、ローティーンの、あるいは思春期の少女の夢想と苦い現実、といったことを感じさせる物語ではなかった。
結婚式の“メンバー”というタイトルや少女が何度か言う“コネクション”という言葉。戦争中という時代背景や黒人である女料理人との会話。
ひとりの人間が社会や他者との関係性について漠然とではあるが疑念を抱いていることや期待していることなどを考えながら前に進もうとしている物語だな、と思う。

物語の多くを占める少女・従弟・女料理人の会話とそれが行われる少女の家の描写がとてもよい。
うんざりとしながらも馴染んでいる。そこから脱したいと思うけれど帰って来たいところでもある。
閉じられ限られたた世界かもしれない。
けれど、少女はその場所から拡がりを見出そうとしているのだろうな。
淡々とはしているがそんなことが強く伝わってくる語り口だった。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年4月22日に日本でレビュー済み
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 本書の内容については、諸レビュワーの方々が見事なご感想を述べていらっしゃいますので、僕は翻訳について、ちょっと気づいたことをトリビアルに述べさせていただきます。

 本書(村上春樹訳)は数年前に読みましたが、今回別の訳者によるものを入手しましたので、それと英文との3つを比較してみました。英文のものは”The MEMBER of the WEDDING”(Mariner Books 2004年)、あと「結婚式のメンバー」渥美昭夫訳(中央公論社 昭和51年3版)で、英文版も渥美訳もアマゾンで購入いたしました。なお、始めたばかりで三分の一くらいしか進んでいない段階でのコメントですが。

1.主人公が自分の長身に不安を抱き、このままでは奇形のような大女になってしまうと考える場面です。村上訳では(38ページ)「18才の誕生日まで背が伸び続けるとしたら、それまでに5年と6分の1年という歳月」がたち、この一年のように4インチ伸びるとすると「なんと、身長7フィートを超える大女になってしまうのだ」とあります。この「7フィート」についてです。
 英文を見てみますと” --- she would grow to be over nine feet tall.”とあります。7フィートじゃなくて9フィートです。渥美訳も「9フィート」になっています。
主人公は8月に12才(プラス6分の5歳)になり、身長は5フィート5インチ(プラス4分の3インチ)で、18才の誕生日までにあと5年と6分の1年あるとあります。1年4インチ伸びるとして計算してみますと、たしかに18才には7.2フィート程になります。
     5年と6分の1年=5.17年  4インチ×5.17=20.68インチ=1.72フィート
     5フィート5.75インチ=5.48フィート 5.48+1.72=7.2(フィート)≠9フィート
 村上氏は計算間違いに気づき、訂正したのでしょうか。ただ、原作者はどう考えてこう記述したのか。わざと間違えて誇大にしたとか、主人公の少女が恐怖の余り計算間違いをしたとか考えられないでしょうか。原作の出版は1946年です。この計算間違いは多くの編集者や読者が気づき、原作者にも当然そのことは耳に入ったでしょう。それでも、未だに訂正されていないのはどうしてなのか。

2.主人公が管楽器の演奏を聴く場面があります。村上訳「--- サキソフォンが演奏を始めた」(89ページ)英文を見てみます。”--- a horn began to play”(44ページ)とあります。渥美訳では「--- ホルンの音が鳴り出した」となっています。
たしかに演奏されるのはブルーズ(さすが村上氏です。日本ではブルースと言い慣れていますが、ブルーズが正しいのだとか)やジャズとありますから、ホルンよりはサキソフォンのほうが似合うような気はします。村上氏は大変にジャズに造詣が深い方ですから、サキソフォンだよと考えられたかどうか。アメリカではサキソフォンをホルンと呼ぶことがあるのかどうかは、いろいろ当たってみたのですが、わかりませんでした。
 ここで研究社のリーダーズ英和辞典でhornを調べてみましたら、意味の一つに「《楽》ホルン:《ジャズの》管楽器(奏者)、《特に》トランペット(吹き)」とあります。この解釈ならサキソフォンでもいいのかと思いますが、ホルンは金管楽器ですから、リードを持つサキソフォンよりトランペットにしてくれた方が納得できるように思います。

3.以下は楽しい感想です。村上氏は時々、随分難しい言葉をお使いになります。「遮眼帯をつけられたラバ」(97ページ)。渥美訳では「 --- 騾馬が目かくしをされて」です。英文では ”--- blindered mules”です。リーダーズ英和辞典をひいてみましたらblinderとは「馬勒につけて外方視野を遮断する 側面目隠し、遮眼帯」とあります。ははあ、これか、「ばろく」?「しゃがんたい」?難しい言葉です。それにしてもラバは一頭じゃなかったんですね。

 157ページに「豚の腿骨入りのホッピンジョン」が出てきます。渥美訳では「骨つきのハムで料理したシチュー」です。英文では”--- hopping-john cooked with the ham bone,”です。実は以前、この話を読んだ時にホッピンジョンを作ってみたのです。主役の黒目豆はアマゾンさんのお世話で入手しました。アメリカ南部の味というのを少し実感した気がしました。
黒目豆はアフリカ西部から来たとか。アメリカ南部の歴史を考えます。
再度作ってみたので写真を添付します。色が全然悪いですけど。
 ham boneは骨付きハムですが、hamboneとすると「演劇でステレオタイプな黒人を演じる役者。黒人の訛りを真似する人」(net Weblio英和辞典)だそうです。
 
 最後までトリビアルばかりですみません。

 なお、以上の考察は僕が所持する英文テキストに基づくもので、多分、村上氏が参照されたテキストとは同じものとは考えにくい。そのことは明示しておきます。
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5つ星のうち3.0 翻訳についての実に些細なことなど
2021年4月22日に日本でレビュー済み
 本書の内容については、諸レビュワーの方々が見事なご感想を述べていらっしゃいますので、僕は翻訳について、ちょっと気づいたことをトリビアルに述べさせていただきます。

 本書(村上春樹訳)は数年前に読みましたが、今回別の訳者によるものを入手しましたので、それと英文との3つを比較してみました。英文のものは”The MEMBER of the WEDDING”(Mariner Books 2004年)、あと「結婚式のメンバー」渥美昭夫訳(中央公論社 昭和51年3版)で、英文版も渥美訳もアマゾンで購入いたしました。なお、始めたばかりで三分の一くらいしか進んでいない段階でのコメントですが。

1.主人公が自分の長身に不安を抱き、このままでは奇形のような大女になってしまうと考える場面です。村上訳では(38ページ)「18才の誕生日まで背が伸び続けるとしたら、それまでに5年と6分の1年という歳月」がたち、この一年のように4インチ伸びるとすると「なんと、身長7フィートを超える大女になってしまうのだ」とあります。この「7フィート」についてです。
 英文を見てみますと” --- she would grow to be over nine feet tall.”とあります。7フィートじゃなくて9フィートです。渥美訳も「9フィート」になっています。
主人公は8月に12才(プラス6分の5歳)になり、身長は5フィート5インチ(プラス4分の3インチ)で、18才の誕生日までにあと5年と6分の1年あるとあります。1年4インチ伸びるとして計算してみますと、たしかに18才には7.2フィート程になります。
     5年と6分の1年=5.17年  4インチ×5.17=20.68インチ=1.72フィート
     5フィート5.75インチ=5.48フィート 5.48+1.72=7.2(フィート)≠9フィート
 村上氏は計算間違いに気づき、訂正したのでしょうか。ただ、原作者はどう考えてこう記述したのか。わざと間違えて誇大にしたとか、主人公の少女が恐怖の余り計算間違いをしたとか考えられないでしょうか。原作の出版は1946年です。この計算間違いは多くの編集者や読者が気づき、原作者にも当然そのことは耳に入ったでしょう。それでも、未だに訂正されていないのはどうしてなのか。

2.主人公が管楽器の演奏を聴く場面があります。村上訳「--- サキソフォンが演奏を始めた」(89ページ)英文を見てみます。”--- a horn began to play”(44ページ)とあります。渥美訳では「--- ホルンの音が鳴り出した」となっています。
たしかに演奏されるのはブルーズ(さすが村上氏です。日本ではブルースと言い慣れていますが、ブルーズが正しいのだとか)やジャズとありますから、ホルンよりはサキソフォンのほうが似合うような気はします。村上氏は大変にジャズに造詣が深い方ですから、サキソフォンだよと考えられたかどうか。アメリカではサキソフォンをホルンと呼ぶことがあるのかどうかは、いろいろ当たってみたのですが、わかりませんでした。
 ここで研究社のリーダーズ英和辞典でhornを調べてみましたら、意味の一つに「《楽》ホルン:《ジャズの》管楽器(奏者)、《特に》トランペット(吹き)」とあります。この解釈ならサキソフォンでもいいのかと思いますが、ホルンは金管楽器ですから、リードを持つサキソフォンよりトランペットにしてくれた方が納得できるように思います。

3.以下は楽しい感想です。村上氏は時々、随分難しい言葉をお使いになります。「遮眼帯をつけられたラバ」(97ページ)。渥美訳では「 --- 騾馬が目かくしをされて」です。英文では ”--- blindered mules”です。リーダーズ英和辞典をひいてみましたらblinderとは「馬勒につけて外方視野を遮断する 側面目隠し、遮眼帯」とあります。ははあ、これか、「ばろく」?「しゃがんたい」?難しい言葉です。それにしてもラバは一頭じゃなかったんですね。

 157ページに「豚の腿骨入りのホッピンジョン」が出てきます。渥美訳では「骨つきのハムで料理したシチュー」です。英文では”--- hopping-john cooked with the ham bone,”です。実は以前、この話を読んだ時にホッピンジョンを作ってみたのです。主役の黒目豆はアマゾンさんのお世話で入手しました。アメリカ南部の味というのを少し実感した気がしました。
黒目豆はアフリカ西部から来たとか。アメリカ南部の歴史を考えます。
再度作ってみたので写真を添付します。色が全然悪いですけど。
 ham boneは骨付きハムですが、hamboneとすると「演劇でステレオタイプな黒人を演じる役者。黒人の訛りを真似する人」(net Weblio英和辞典)だそうです。
 
 最後までトリビアルばかりですみません。

 なお、以上の考察は僕が所持する英文テキストに基づくもので、多分、村上氏が参照されたテキストとは同じものとは考えにくい。そのことは明示しておきます。
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2018年1月12日に日本でレビュー済み
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ほんとうに面白かった。そう思えることってもう自分の人生にはほとんどないんだけど。
風呂でこれのオーディオブック聴き込むほど気に入りました
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年4月8日に日本でレビュー済み
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表紙の写真には、1950年当時の著者マッカラーズ自身(33歳)が真ん中に不安そうな表情で写っています。本書は、著者の半ば自伝的な小説とのことなので、以下の文章も真に迫っていて、迫力のある表現になっています。

「父親のピストルを箪笥の抽斗から持ち出し、それを身につけて街中を歩き回り、空き地で実弾の試し撃ちをした。また泥棒に早変わりし、シアーズ&ローバック・ストアから万能ナイフを盗んだ。」

「そしてそのときに初めて、自分が左手にピストルを持っていることに気づいた。ピストルを握りしめたままずっと歩き回っていたのだ。もし花嫁と兄が自分を連れて行ってくれなかったら、ピストルで自殺してやると彼女は口にしていた。彼女はこめかみにピストルをあて、そのまま一分か二分、じっとしていた。この引き金を引けば、自分は死んでしまう。死ぬのは真っ暗になることだ。」
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2016年4月6日に日本でレビュー済み
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作者の自伝的小説の由で、近づきつつある「兄の結婚式」を表面上のモチーフとして、12歳の少女の(作中の表現を借りると)"気の触れた夏"の心理を木目細かに描いた作品。少女(=作者)は12歳で173cmという長身にコンプレックスを持っているために周囲に馴染めず、「兄の結婚式」(とそれに続く新婚旅行)に伴い、自分も街を出て世界に飛躍するという(同じく作中の表現を借りると)"気の触れた決意"を抱く。"気の触れた"(原語はcrazy?)というよりは、思春期には誰しもが抱く夢・願望ではあるが。もう1つの特徴は、上述のコンプレックスのために、少女は世の中の「メンバー」から外れていると思い込み、基準・規格に対して反感を抱いている点である。

   「何が変で、何が変でないのか?」
   「どうして私は私であって、他の人ではないのか?」

というのが少女の抱く疑問であり、作者のテーマでもある。これも思春期には誰しもが悩む問いであり、本作を読む(特に)若い読者の方にとっては身近なテーマになっていると思う。大人の読者の方にとっては、「そんな頃もあったなぁ~」という懐かしさを感じさせる作品でもある。

作中ではこの他、人種差別、性的仄めかし等も扱っているが、特に少女一家の黒人女中のベレニスの造形が巧み(少女とこのベレニスだけで本作が成り立っている感がある)。4度の結婚・離婚(死別)経験を持つ人生経験豊富なベレニスが、ラスト近くで、"気の触れた"少女に悟り聴かせる辺りが本作のハイライトとも言え、ベレニスのその言葉はあたかも本作のテーマそのものの様に映った。作者自身が思春期に感じた"あの一瞬"を詳細に記録しておきたいとの熱意が爽やかに伝わって来る佳作だと思った。
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