2015年6月1日の新聞記事によるとツバメの喉のあたりに斑点が出いている。
そこでツバメの巣を調査すると、福島県の巣から最高で9万ベクレル、平均で7500ベクレルの
放射能が出た。
次に多く出たのは千葉県と記事に書いてある。
巣は土と藁でできており。土がセシウムに汚染されたためと書いてあった。
除染しても9万ベクレルの土がいまだにあるという恐怖。
のどのあたりにできる白い斑点、それは人間でいえば甲状腺がんが出るところ。
私は、農薬被害にあいひどい扱いを受けた経験から言えることは、
他の動物が消えたり、おかしくなるときは逃げるしか方法はない。
医師、行政の人たちは農薬は安全といつも主張し、調査しようとはしなかった。
ある女医は、私が農薬で体調が悪いというと、「お前のような奴は診察しない帰れ」
とまで言われた。
同じことが放射能汚染でも言える。
医師に期待しても無駄である。
ちなみに日本甲状腺学会前理事長は、山下俊一氏である、福島の子供に
甲状腺がんが増えることはないだろう。
医師など頼らず現実に他の動物がどうなっているかを見た方がいいと思う。
正直なこの本の筆者は単に純粋な方なのだと思う。
子孫を守るためにこの本は読んだ方がいい。
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美味しんぼ「鼻血問題」に答える 単行本 – 2015/1/30
雁屋 哲
(著)
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- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社遊幻舎
- 発売日2015/1/30
- ISBN-104990301986
- ISBN-13978-4990301989
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登録情報
- 出版社 : 遊幻舎 (2015/1/30)
- 発売日 : 2015/1/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 270ページ
- ISBN-10 : 4990301986
- ISBN-13 : 978-4990301989
- Amazon 売れ筋ランキング: - 337,625位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 101,440位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1941年、中国・北京生まれ。東京大学教養学部卒業後、電通勤務を経て漫画原作者となり、『男組』(画/池上遼一)『野望の王国』(画/由起賢二)など を手がける。83年、『美味しんぼ』(画/花咲アキラ)の連載開始。87年、同作品で第32回小学館漫画賞受賞。88年より、オーストラリア・シドニー在 住((「BOOK著者紹介情報」より:本データは『頭痛、肩コリ、心のコリに美味しんぼ』(ISBN-10:4990301951)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2015年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読んでいて、胸に響いた言葉がいくつかありました。
<事実を認めるのは辛いことです。しかし、事実を認めなかったら、どのように生き方を選べるのですか。>
全く同感するしかない当たり前のことですが、事実を見ようとしない人、或はあえて事実とは違うことを言う人が何と多いことでしょう。
<私が「美味しんぼ」で書いたことはすべて自分の目で見て、自分の耳で聞いたことです。他人の噂話など、一つも書いていません。>
自分で実際に福島に出かけ、福島第一原発まで見学し、その折々の見聞をレポートした上で自分の見解を述べたのがこの本であり、先に発表した漫画であったのです。
この程度のものも許容できないとしたら、今の日本は本当に生きづらい世の中になったと嘆くしかありません。
「原発」は日本のタブーでしたが、事故後にタブーから外れたと思ったのは勘違いだったと、自虐的な笑い話にしてはなりません。
<何より恐ろしいのは、・・・人々は・・・体内被曝が自分たちを侵しつづけていることに全然関心を払っていないのです。>
筆者は後半で体内被曝と低線量被曝の問題を提起します。鼻血とひどい疲労感の問題も、その中で説明がつくと言います。
最後に、
<福島の人たちよ、自分を守るのは自分だけです。福島から逃げる勇気を持ってください。>と結びます。
ただ、私はこれは杞憂だろうと思います。
逃げられる人は、黙ってもう逃げているのではないでしょうか。
問題は、逃げることが出来ない人たちのことだと思うのですが。
<事実を認めるのは辛いことです。しかし、事実を認めなかったら、どのように生き方を選べるのですか。>
全く同感するしかない当たり前のことですが、事実を見ようとしない人、或はあえて事実とは違うことを言う人が何と多いことでしょう。
<私が「美味しんぼ」で書いたことはすべて自分の目で見て、自分の耳で聞いたことです。他人の噂話など、一つも書いていません。>
自分で実際に福島に出かけ、福島第一原発まで見学し、その折々の見聞をレポートした上で自分の見解を述べたのがこの本であり、先に発表した漫画であったのです。
この程度のものも許容できないとしたら、今の日本は本当に生きづらい世の中になったと嘆くしかありません。
「原発」は日本のタブーでしたが、事故後にタブーから外れたと思ったのは勘違いだったと、自虐的な笑い話にしてはなりません。
<何より恐ろしいのは、・・・人々は・・・体内被曝が自分たちを侵しつづけていることに全然関心を払っていないのです。>
筆者は後半で体内被曝と低線量被曝の問題を提起します。鼻血とひどい疲労感の問題も、その中で説明がつくと言います。
最後に、
<福島の人たちよ、自分を守るのは自分だけです。福島から逃げる勇気を持ってください。>と結びます。
ただ、私はこれは杞憂だろうと思います。
逃げられる人は、黙ってもう逃げているのではないでしょうか。
問題は、逃げることが出来ない人たちのことだと思うのですが。
2024年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全て肯定するのも全否定するのも非科学的だと思います。
少しでも疑いがあれば可能性として残し研究をするという
のが科学的態度というもの。純粋に科学的テーマなのに、
政治的利害判断が持ち込まれているのは極めて残念です。
これは肯定派否定派双方に云えることで、どっちもどっち
少しでも疑いがあれば可能性として残し研究をするという
のが科学的態度というもの。純粋に科学的テーマなのに、
政治的利害判断が持ち込まれているのは極めて残念です。
これは肯定派否定派双方に云えることで、どっちもどっち
2018年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は福島原発事故後に体調不良を起こした多くの人の話を聞きましたが、鼻血以外にも沢山の症状が出ていました。
鼻血が嘘だなどとよく言うものです。国や東電はなんとか事故を矮小化して補償を矮小化して、原発再開の状況を作り出してきている。
県は地方交付税を国からもらって口止めをされているけれど、医師会までが嘘をつくという状況はひどいと思います。
情報統制に真正面から切り込んだ狩屋先生はすごいと思う。
鼻血が嘘だなどとよく言うものです。国や東電はなんとか事故を矮小化して補償を矮小化して、原発再開の状況を作り出してきている。
県は地方交付税を国からもらって口止めをされているけれど、医師会までが嘘をつくという状況はひどいと思います。
情報統制に真正面から切り込んだ狩屋先生はすごいと思う。
2015年1月30日に日本でレビュー済み
福島県内で鼻血の増加は報告されていない。
福島県庁にも報告はない。福島県内のどの自治体にも鼻血増加の報告はない。
福島県内の医師会にも報告されていない。
私(東京電力福島第一原発事故以前から継続して福島県福島市在住)の周囲でもまったく見られない。
本書を読む方は上記の状況を加味して閲読することをお勧めする。
↓以下は2015年2月7日以降の追記
「読まずに批判するのか」とコメントを付加されたので福島市内の書店で定価で新品を購入した。(購入時点ではamazonが在庫切れだったため)
全体を精読した。その上で下記のように追記する。
本書の主張は著者の「鼻血」を正当化しようとするもの。
その内訳は放射線被害を過大に見積もるマイナーな非常に希少な研究者、医療者の著作物を集め、繋ぎ合わせる事で成り立っている。
肩書きが「医師」「教授」となっている人物の発言や著作が多い。
著者がわざわざ選んだのであろう。
肩書が医者・学者であっても、専門外の分野には素人レベルの知識しかなく門外漢がひとりよがりな意見を述べているだけ、ということもある。
たとえ専門分野の研究者であっても学会でも相手にされず論文も引用されない例もある。
この本を手にとる人は、上記の事を肝に銘じて本書を読むべきだ。
著者は「福島県で鼻血が多い」根拠として4点を列挙している。
1)「双葉町民の健康状態について。2011年11月に、岡山大学、熊本学園大学、広島大学の研究者による合同プロジェクト班が疫学調査を行い」「双葉町、宮城県丸森町筆甫地区、滋賀県長浜市木之本町」「鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した」記述。
2)伊達市保原小学校の「健康だより」の「この一学期間に、保健室で気になったことが二つあります。一つ目は鼻血を出す子どもが多かったこと」という記述
3)デイズジャパン広河隆一のチェルノブイリ調査
4)2011年12月2日の参院震災復興特別委の参考人招致。”福島の住民が「自分の娘をはじめとして、周囲に鼻血症状訴える子供が非常に多かった」と証言”
(1)の調査は最終報告書が平成25年9月付けで出ている。「双葉町・丸森町ともに特に多かったのは鼻血」と結論づけているが、木之本町を対照群とした根拠は明示されていない。木之本町が特に全国平均に比して鼻血の極端に少ない地域である可能性があり、鼻血の論拠としては適さない。
(2)の「健康だより」。本書中では、2011年に下記の記述があったと書いている。
(引用始)
「この一学期間に、保健室で気になったことが二つあります。一つ目は鼻血を出す子どもが多かったこと」
(引用終わり)
ブログへのリンクが2つ記載されているが、いずれも現在リンクが切れていて確認できない。
「健康だより」は名称から養護教諭が保護者向けに配布するプリントと思われる。
養護教諭が仮に鼻血の増加著しく児童の健康への脅威を感じたとしたら、即刻学校長と学校医に
報告と相談がなされるはずだ。
その上で学校医が相談を受け危険を感じたならば、当然学校長と教育委員会に報告があるはずだ。
その形跡がない以上、該当の記述は危険を感じる程のものではなく、
一般的に「カゼで休む子が多かった」程度の傾向を連絡する文書だったと考えるのが妥当だろう。
(3)チェルノ調査を福島県で発生した、または現在発生している事象の根拠に使うのはおかしい。
(4)参考人女性の国会証言は国会会議録検索システムに公開されていて確認できる。
彼女が訴えているのは震災直後国の情報管理が失敗し、パニック状態で逃げ惑う福島県民の苦難と窮状である。
鼻血についての証言は、参考人女性が避難した後、他の避難者に聞き取りをした内容についての言及だ。
参考人女性の娘が震災前に比べて異常な鼻血を出したわけではないことが、原文から読める。
この国会証言では「鼻血」は避難者の身に発生した客観的事象ではなく、実際に目撃したものでもなく、
北海道に避難した後に風聞として聞いた事を証言し、人々の不安に対して実効性のある救済策を訴えているにすぎない。
「鼻血」は人々を避難に駆り立てた多くの主観的な不安要素の一つとしてしか証言には現れない。
以上4点とも鼻血が客観的に増加している根拠としては適さない内容である。
特に(4)の参考人女性の場合、
仮に今「私は鼻血が増えているなどとは言っていない」と彼女が証言しても偽証罪に問われることはない。
該当国会証言では「鼻血」は参考人女性自身の身の周りに発生した客観的事象ではない。実際に目撃したものでもない。
参考人女性が北海道に避難した後に風聞として聞いた事を証言し人々が異常に不安がっている北海道の自主避難者コミュニティの現状を訴え、
自主避難者に対して実効性のある救済策を訴えているにすぎない。
本書の中で著者は「国会でウソを言えば偽証罪となる」と脅迫めいた文言をワザワザ記述しているが
心底怒りを覚える。
福島から自主避難した人達は東電の賠償も実費だけで自治体の援助もほとんど無く
孤立無援である。その弱い立場に付け込んで
根拠の薄い自らの主張の盾にしようとするヤリクチは許せない。
本書は、読者に誤った考えをあたかも真実であるかのように錯覚させる事を目的に緻密に記述された悪質で危険な書物と言える。
日本放射線影響学界では”「美味しんぼ」福島の真実編へのコメント”と題して本書に対し特別に意見表明を行っている。
以下全文を引用する。放射線の専門家が感じている本書と著者に対する危機感が伝わってくる文章である。
(引用始まり)
「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号に掲載された「美味しんぼ」の放射線による身体的影響に関する内容について、日本放射線影響学会有志の見解を示します。漫画雑誌に掲載された内容に関して、学術団体がコメントすることの是非に関する議論もしましたが、当該週刊誌の発行部数が直近の2014年1〜3月において188,385部(一般社団法人 日本雑誌協会)と多いことと表題が「福島の真実(・・)編」であることから社会的影響が大きいと考え、表明するものです。
「美味しんぼ」では、低線量放射線の身体的影響に関して、以下のように描かれています。まず、登場人物が東京電力福島第一原子力発電所を視察した後に、鼻からの出血や疲労感を訴える場面が描かれています。また、大阪府・大阪市が実施した岩手県の震災がれき焼却によって身体的不調を訴える人が大勢いたことを専門家が説明する場面も描かれています。
低線量放射線の身体的影響については、これまでに数多くの学術研究が行われており、以下のことが明らかになっています。
放射線被ばく後、数週間以内に現れる身体的な異常を放射線による早期影響といいます。放射線による早期影響は、ある一定の被ばく線量を超えると現れます。被ばくした100人に1人以上の割合で影響が現れる最低線量をしきい線量と呼び、これまでに数多くのしきい線量に関するデータが蓄積されてきました。成人で最も低い線量で現れる影響は、睾丸への被ばくによる一時的不妊で、しきい線量は100 mGyと推定されています(国際放射線防護委員会2007年勧告, ICRP Publication 103)。これより低い線量の被ばくでは、鼻血や全身倦怠を含めて臨床的に観察可能な放射線が直接原因となる身体的影響は報告されていません。
残念ながら、作品中では登場人物の被ばく線量に関する記載がありません。もし、これはフィクションであると言うのであれば、「福島の真実(・・)」という言葉は不適切ということになります。もし、実測値があるならば公表すべきですし、今後の放射線防護のためにも正確な状況の記述が重要です。
震災がれきは岩手県由来のものであり、福島県のものではありません。がれきを焼却した焼却工場周辺において、住民の被ばく線量が焼却以前に比べて高くなるような測定値は存在せず、大阪市・大阪府は発行元の小学館へ正式に抗議しています。したがって、作中で描かれた放射線の身体的影響に関して、これまでのところ、これらを支持する学術研究結果はありません。
私達、放射線影響学会員は、放射線の生物影響を遺伝子、細胞、動物、及びヒトなど様々なレベルで研究しています。偶然ではなく、再現性をもって放射線が原因となる生物影響とそのメカニズムを明らかにしようと不断の努力を積み重ねています。しかし、生物影響の現れ方は多様で、動物実験が困難な研究もあります。そのため、放射線の人体影響については、未知のことが多く残されています。作中では、放射線がフリーラジカルの生成を通して身体を構成している細胞にあらゆる悪い作用を及ぼすような描写があります。しかし、被ばくして直ぐに生命に関わるような影響でない場合、影響が明らかになるまでに人体では十年単位の長い時間がかかります。したがって、放射線によるフリーラジカルの発生だけが生物影響を及ぼすということでは片付かないことは明らかです。
事実(・・)と真実(・・)は、明確に分けて描くべきであり、事実を描くのであれば、どのような状況でどのようなことが起こったのかについてできる限りの丁寧な表現をする必要があります。
「真実」と言う言葉は極めて重く、安易に使うべきものではありません。今回の漫画作品での取り上げ方から、放射線の生物影響を解明することは、私達、日本放射線影響学会員への付託と重く受け止め、今後も益々研究に精進する所存であります。
(引用終わり)
本書の記述は極端に放射線の危険を過大視するもので、読む人に誤った先入観を刷り込む危険がある。
読む際には最低限基礎知識として下記の書籍を読んでおくべきだ。
陽子線など放射線の人体影響に関して多数論文がある多田順一郎先生の著書
放射線・放射能がよくわかる本
チェルノブイリ原発事故の健康影響研究の権威で
福島第一原発事故の際にも事故直後から福島の現場で対応にあたった
山下俊一先生と長崎大の先生方の著作
正しく怖がる放射能の話―100の疑問「Q&A」長崎から答えます (長崎文献ブックレット 1)
図を多用しわかりやすく説明している
図説 放射線学入門 基礎から学ぶ緊急被曝ガイド
放射線医学総合研究所が出版した「公式情報」と言える本
専門家が答える 暮らしの放射線Q&A
食品の陰膳検査や乳児用WBC開発等で福島県民の支援活動をされてきた物理学者・早野龍五先生と、糸井重里氏がわかりやすく原発事故後に起きた事をふりかえる。
知ろうとすること。 (新潮文庫)
福島県民は、健康被害がほぼ無い事が証明されつつあり油断がある。
また、遅々として進まぬ復興に意識が向いて、風評加害者達に意識が向かない。
私たちは雁谷哲のような、自分勝手な目的のために
奇怪な言説を振り回し福島イジメ福島ヘイトを堂々繰り返す悪質な
連中の攻撃に対峙していかなければならない。
そのために、福島県民のある程度教養があると自負する者は
本書を立ち読み程度で良いので
パラパラ見てチェックしておき、風評加害者の最新の手口を学び
日々風評対策を更新していく必要があると思う。
福島県庁にも報告はない。福島県内のどの自治体にも鼻血増加の報告はない。
福島県内の医師会にも報告されていない。
私(東京電力福島第一原発事故以前から継続して福島県福島市在住)の周囲でもまったく見られない。
本書を読む方は上記の状況を加味して閲読することをお勧めする。
↓以下は2015年2月7日以降の追記
「読まずに批判するのか」とコメントを付加されたので福島市内の書店で定価で新品を購入した。(購入時点ではamazonが在庫切れだったため)
全体を精読した。その上で下記のように追記する。
本書の主張は著者の「鼻血」を正当化しようとするもの。
その内訳は放射線被害を過大に見積もるマイナーな非常に希少な研究者、医療者の著作物を集め、繋ぎ合わせる事で成り立っている。
肩書きが「医師」「教授」となっている人物の発言や著作が多い。
著者がわざわざ選んだのであろう。
肩書が医者・学者であっても、専門外の分野には素人レベルの知識しかなく門外漢がひとりよがりな意見を述べているだけ、ということもある。
たとえ専門分野の研究者であっても学会でも相手にされず論文も引用されない例もある。
この本を手にとる人は、上記の事を肝に銘じて本書を読むべきだ。
著者は「福島県で鼻血が多い」根拠として4点を列挙している。
1)「双葉町民の健康状態について。2011年11月に、岡山大学、熊本学園大学、広島大学の研究者による合同プロジェクト班が疫学調査を行い」「双葉町、宮城県丸森町筆甫地区、滋賀県長浜市木之本町」「鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した」記述。
2)伊達市保原小学校の「健康だより」の「この一学期間に、保健室で気になったことが二つあります。一つ目は鼻血を出す子どもが多かったこと」という記述
3)デイズジャパン広河隆一のチェルノブイリ調査
4)2011年12月2日の参院震災復興特別委の参考人招致。”福島の住民が「自分の娘をはじめとして、周囲に鼻血症状訴える子供が非常に多かった」と証言”
(1)の調査は最終報告書が平成25年9月付けで出ている。「双葉町・丸森町ともに特に多かったのは鼻血」と結論づけているが、木之本町を対照群とした根拠は明示されていない。木之本町が特に全国平均に比して鼻血の極端に少ない地域である可能性があり、鼻血の論拠としては適さない。
(2)の「健康だより」。本書中では、2011年に下記の記述があったと書いている。
(引用始)
「この一学期間に、保健室で気になったことが二つあります。一つ目は鼻血を出す子どもが多かったこと」
(引用終わり)
ブログへのリンクが2つ記載されているが、いずれも現在リンクが切れていて確認できない。
「健康だより」は名称から養護教諭が保護者向けに配布するプリントと思われる。
養護教諭が仮に鼻血の増加著しく児童の健康への脅威を感じたとしたら、即刻学校長と学校医に
報告と相談がなされるはずだ。
その上で学校医が相談を受け危険を感じたならば、当然学校長と教育委員会に報告があるはずだ。
その形跡がない以上、該当の記述は危険を感じる程のものではなく、
一般的に「カゼで休む子が多かった」程度の傾向を連絡する文書だったと考えるのが妥当だろう。
(3)チェルノ調査を福島県で発生した、または現在発生している事象の根拠に使うのはおかしい。
(4)参考人女性の国会証言は国会会議録検索システムに公開されていて確認できる。
彼女が訴えているのは震災直後国の情報管理が失敗し、パニック状態で逃げ惑う福島県民の苦難と窮状である。
鼻血についての証言は、参考人女性が避難した後、他の避難者に聞き取りをした内容についての言及だ。
参考人女性の娘が震災前に比べて異常な鼻血を出したわけではないことが、原文から読める。
この国会証言では「鼻血」は避難者の身に発生した客観的事象ではなく、実際に目撃したものでもなく、
北海道に避難した後に風聞として聞いた事を証言し、人々の不安に対して実効性のある救済策を訴えているにすぎない。
「鼻血」は人々を避難に駆り立てた多くの主観的な不安要素の一つとしてしか証言には現れない。
以上4点とも鼻血が客観的に増加している根拠としては適さない内容である。
特に(4)の参考人女性の場合、
仮に今「私は鼻血が増えているなどとは言っていない」と彼女が証言しても偽証罪に問われることはない。
該当国会証言では「鼻血」は参考人女性自身の身の周りに発生した客観的事象ではない。実際に目撃したものでもない。
参考人女性が北海道に避難した後に風聞として聞いた事を証言し人々が異常に不安がっている北海道の自主避難者コミュニティの現状を訴え、
自主避難者に対して実効性のある救済策を訴えているにすぎない。
本書の中で著者は「国会でウソを言えば偽証罪となる」と脅迫めいた文言をワザワザ記述しているが
心底怒りを覚える。
福島から自主避難した人達は東電の賠償も実費だけで自治体の援助もほとんど無く
孤立無援である。その弱い立場に付け込んで
根拠の薄い自らの主張の盾にしようとするヤリクチは許せない。
本書は、読者に誤った考えをあたかも真実であるかのように錯覚させる事を目的に緻密に記述された悪質で危険な書物と言える。
日本放射線影響学界では”「美味しんぼ」福島の真実編へのコメント”と題して本書に対し特別に意見表明を行っている。
以下全文を引用する。放射線の専門家が感じている本書と著者に対する危機感が伝わってくる文章である。
(引用始まり)
「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号に掲載された「美味しんぼ」の放射線による身体的影響に関する内容について、日本放射線影響学会有志の見解を示します。漫画雑誌に掲載された内容に関して、学術団体がコメントすることの是非に関する議論もしましたが、当該週刊誌の発行部数が直近の2014年1〜3月において188,385部(一般社団法人 日本雑誌協会)と多いことと表題が「福島の真実(・・)編」であることから社会的影響が大きいと考え、表明するものです。
「美味しんぼ」では、低線量放射線の身体的影響に関して、以下のように描かれています。まず、登場人物が東京電力福島第一原子力発電所を視察した後に、鼻からの出血や疲労感を訴える場面が描かれています。また、大阪府・大阪市が実施した岩手県の震災がれき焼却によって身体的不調を訴える人が大勢いたことを専門家が説明する場面も描かれています。
低線量放射線の身体的影響については、これまでに数多くの学術研究が行われており、以下のことが明らかになっています。
放射線被ばく後、数週間以内に現れる身体的な異常を放射線による早期影響といいます。放射線による早期影響は、ある一定の被ばく線量を超えると現れます。被ばくした100人に1人以上の割合で影響が現れる最低線量をしきい線量と呼び、これまでに数多くのしきい線量に関するデータが蓄積されてきました。成人で最も低い線量で現れる影響は、睾丸への被ばくによる一時的不妊で、しきい線量は100 mGyと推定されています(国際放射線防護委員会2007年勧告, ICRP Publication 103)。これより低い線量の被ばくでは、鼻血や全身倦怠を含めて臨床的に観察可能な放射線が直接原因となる身体的影響は報告されていません。
残念ながら、作品中では登場人物の被ばく線量に関する記載がありません。もし、これはフィクションであると言うのであれば、「福島の真実(・・)」という言葉は不適切ということになります。もし、実測値があるならば公表すべきですし、今後の放射線防護のためにも正確な状況の記述が重要です。
震災がれきは岩手県由来のものであり、福島県のものではありません。がれきを焼却した焼却工場周辺において、住民の被ばく線量が焼却以前に比べて高くなるような測定値は存在せず、大阪市・大阪府は発行元の小学館へ正式に抗議しています。したがって、作中で描かれた放射線の身体的影響に関して、これまでのところ、これらを支持する学術研究結果はありません。
私達、放射線影響学会員は、放射線の生物影響を遺伝子、細胞、動物、及びヒトなど様々なレベルで研究しています。偶然ではなく、再現性をもって放射線が原因となる生物影響とそのメカニズムを明らかにしようと不断の努力を積み重ねています。しかし、生物影響の現れ方は多様で、動物実験が困難な研究もあります。そのため、放射線の人体影響については、未知のことが多く残されています。作中では、放射線がフリーラジカルの生成を通して身体を構成している細胞にあらゆる悪い作用を及ぼすような描写があります。しかし、被ばくして直ぐに生命に関わるような影響でない場合、影響が明らかになるまでに人体では十年単位の長い時間がかかります。したがって、放射線によるフリーラジカルの発生だけが生物影響を及ぼすということでは片付かないことは明らかです。
事実(・・)と真実(・・)は、明確に分けて描くべきであり、事実を描くのであれば、どのような状況でどのようなことが起こったのかについてできる限りの丁寧な表現をする必要があります。
「真実」と言う言葉は極めて重く、安易に使うべきものではありません。今回の漫画作品での取り上げ方から、放射線の生物影響を解明することは、私達、日本放射線影響学会員への付託と重く受け止め、今後も益々研究に精進する所存であります。
(引用終わり)
本書の記述は極端に放射線の危険を過大視するもので、読む人に誤った先入観を刷り込む危険がある。
読む際には最低限基礎知識として下記の書籍を読んでおくべきだ。
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図説 放射線学入門 基礎から学ぶ緊急被曝ガイド
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知ろうとすること。 (新潮文庫)
福島県民は、健康被害がほぼ無い事が証明されつつあり油断がある。
また、遅々として進まぬ復興に意識が向いて、風評加害者達に意識が向かない。
私たちは雁谷哲のような、自分勝手な目的のために
奇怪な言説を振り回し福島イジメ福島ヘイトを堂々繰り返す悪質な
連中の攻撃に対峙していかなければならない。
そのために、福島県民のある程度教養があると自負する者は
本書を立ち読み程度で良いので
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日々風評対策を更新していく必要があると思う。
2015年2月1日に日本でレビュー済み
小学館が発行している「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載していたマンガ「美味しんぼ」の「鼻血」表現をめぐり2014年5月12日マンガに登場する元双葉町長の井戸川克隆氏に取材したメディアから、「鼻血をはじめ、身体の不調がでていることは事実」というコメントが報道された。
しかし閣僚や福島県などが相次いで批判を強めたので、翌13日に石原大臣は「科学的因果関係なし」と断言した。
これに対し井戸川元町長のコメントを報道したメディアが見解を求めたが、石原大臣は「発言は私の意見ではなく、有識者のご意見だ」「特に福島県立医大の先生方のお話として紹介させていただいた」と逃げた。
さらに、自民党が野党だった2012年に、山谷えり子議員や森雅子議員が国会の予算委員会で、鼻血が出ているという住民の声を聴いているとして、民主党政権(当時)の責任を追及していた件について問われると、「私の認識は変わっていない。今、ご指名された人がなんと発言したのか知らない」と自民党の政治家らしいごまかしをしている。
2012年04月25日の憲法審査会で山谷えり子質疑で井戸川町長の「毎日鼻血が出ています」という話を持ち出し、当時与党だった民主党を批判している。
「自民党の井戸川町長が雑誌のインタビューでこんなことを言っていらっしゃいます。私は、野田首相に双葉郡民は国民だと思っていますかと聞いたけど、国は、アメリカにSPEEDIのデータを先に知らせて、国民にはSPEEDIのデータを提供していなかった。今もって双葉町はSPEEDIのデータは来ていません。あの情報が入っていたら仙台方面に逃げていますよと。あるいは、ベントの連絡もなかったと。それから、国、東電は、止める、冷やす、閉じ込めると言い張って絶対に安全だと言ってきた結果がこれで、我々は住むところも追われてしまった。放射能のために学校も病院も職場も全て奪われて崩壊しているのです。私は脱毛していますし、毎日鼻血が出ています。この前、東京のある病院に被曝しているので血液検査をしてもらえますかとお願いしたら、いや、調べられないと断られましたよ。我々は被曝までさせられているが、その対策もないし、明確な検査もないという。本当に重い発言だと思います。
福島県民の健診も十分に納得のいく検査メニューではないということなども含めまして、本当に今問題提起されました憲法第十三条の幸福追求権と憲法第二十五条の生存権というこの条文が、もう全く違う角度で私は読み直さなければならないんじゃないか、精査し直さなければならないんではないかというふうに思います。・・・・・・・・・・・」
森まさこ議員は06月14日の東日本大震災復興特別委で、福島選出議員として「具体的にこんな心配の声をお寄せいただいています。子どもが鼻血を出した、これは被ばくによる影響じゃないかと心配なんだけれども・・・」と鼻血の件を話している。
明らかに「鼻血が出ている」という話が福島県民から出ていたのが事実であろう。
本書の主題である漫画『美味しんぼ』の記述を攻撃することで、むしろ自民党のご都合主義が判明したのである。その辺りを話題の中心にいた雁屋哲視点で暴露し、連載を止めさせられた経過をまとめたのが本書である。
しかし閣僚や福島県などが相次いで批判を強めたので、翌13日に石原大臣は「科学的因果関係なし」と断言した。
これに対し井戸川元町長のコメントを報道したメディアが見解を求めたが、石原大臣は「発言は私の意見ではなく、有識者のご意見だ」「特に福島県立医大の先生方のお話として紹介させていただいた」と逃げた。
さらに、自民党が野党だった2012年に、山谷えり子議員や森雅子議員が国会の予算委員会で、鼻血が出ているという住民の声を聴いているとして、民主党政権(当時)の責任を追及していた件について問われると、「私の認識は変わっていない。今、ご指名された人がなんと発言したのか知らない」と自民党の政治家らしいごまかしをしている。
2012年04月25日の憲法審査会で山谷えり子質疑で井戸川町長の「毎日鼻血が出ています」という話を持ち出し、当時与党だった民主党を批判している。
「自民党の井戸川町長が雑誌のインタビューでこんなことを言っていらっしゃいます。私は、野田首相に双葉郡民は国民だと思っていますかと聞いたけど、国は、アメリカにSPEEDIのデータを先に知らせて、国民にはSPEEDIのデータを提供していなかった。今もって双葉町はSPEEDIのデータは来ていません。あの情報が入っていたら仙台方面に逃げていますよと。あるいは、ベントの連絡もなかったと。それから、国、東電は、止める、冷やす、閉じ込めると言い張って絶対に安全だと言ってきた結果がこれで、我々は住むところも追われてしまった。放射能のために学校も病院も職場も全て奪われて崩壊しているのです。私は脱毛していますし、毎日鼻血が出ています。この前、東京のある病院に被曝しているので血液検査をしてもらえますかとお願いしたら、いや、調べられないと断られましたよ。我々は被曝までさせられているが、その対策もないし、明確な検査もないという。本当に重い発言だと思います。
福島県民の健診も十分に納得のいく検査メニューではないということなども含めまして、本当に今問題提起されました憲法第十三条の幸福追求権と憲法第二十五条の生存権というこの条文が、もう全く違う角度で私は読み直さなければならないんじゃないか、精査し直さなければならないんではないかというふうに思います。・・・・・・・・・・・」
森まさこ議員は06月14日の東日本大震災復興特別委で、福島選出議員として「具体的にこんな心配の声をお寄せいただいています。子どもが鼻血を出した、これは被ばくによる影響じゃないかと心配なんだけれども・・・」と鼻血の件を話している。
明らかに「鼻血が出ている」という話が福島県民から出ていたのが事実であろう。
本書の主題である漫画『美味しんぼ』の記述を攻撃することで、むしろ自民党のご都合主義が判明したのである。その辺りを話題の中心にいた雁屋哲視点で暴露し、連載を止めさせられた経過をまとめたのが本書である。
2017年6月30日に日本でレビュー済み
震災後に福島へ仕事で行っていますが
【原発から20km前後の地区 広野町】
私自身、鼻血は一度も出たことないんですよね。
現地に一度でも行ったことのある人の言なら
信用できるけど雁屋哲さんは、どうなのって話だよね。
美味しんぼは昔好きなアニメでしたし
甘く★2にしましたが・・・
【原発から20km前後の地区 広野町】
私自身、鼻血は一度も出たことないんですよね。
現地に一度でも行ったことのある人の言なら
信用できるけど雁屋哲さんは、どうなのって話だよね。
美味しんぼは昔好きなアニメでしたし
甘く★2にしましたが・・・