2023 02 15
焼き入れやら、熱処理の本とか随分読んだつもりでしたがこの本が一番解りやすいですね。
最初から読んどけよって感じです。
刀を知る以前に、鉄を学ぶのですが書籍のおよそ半分近くのページを割いて鉄についての
何たるかが、とても分かりやすいです。鉄の歴史、性格性質、特性、熱処理、用途など、刀
に成るための必要不可欠な要素の説明は単純にして明確で、今に成って読んでも新たな発見
が有るほどです。鉄の素材やその他の化合物と熱処理の関係についても、何かしら痒い所に
手が届いた気分になりました。
今や刀と言ったら美術刀と呼ばれる物と成っていますが、鉄自体から新たに学び直して
今までと少し違った眼差しで作品を眺めたら、ほんの少しでも刀工の志が見えてくるかも
知れませんね。また、美術品と呼ばれる物でこれ程までに大勢の方々が携わって作り込む
作品と言う事では珍しい物と思います。
また、刀に付いてや拵えなど歴史や神話に登場する事柄等興味は絶えません。
刀を鑑賞する方法として、あまたの本がありますが書いてあることはほぼ一緒と思っています。
しかし、鑑賞のツボを分かりやすく解説してあるのは私的の中ではこの本ですね。
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出版社より
日本刀には気高く神々しい、凛とした気品があります。しかし、日本刀の本当のすばらしさは、よく斬れて、曲がらず、折れないという鉄の科学からみて矛盾する性能が実現されている点です。本書は、日本刀をあらゆる面から科学するため、鉄の特性を中心に、刀匠が勘と経験で行ってきた加熱・冷却などの操作、拵えの構造などを科学的に解説します。また、これまでの日本刀解説書にない沸え・匂い・映りなどの独特の言い回しも科学的に解説します。
著者について
