【良い部分】
①難易度が絶妙でキャラクターを育てていく楽しみは本作も健在であり、やりごたえがある。
②キャラの性格にバラエティが豊富で、イラストも魅力的なのでキャラクタークリエイトが楽しい
③タワーディフェンスという着想が純粋にすばらしい
④スマホゲーと比べられてしまう部分はあるが、このゲームは一度購入すれば努力次第でキャラクターを成長させたりゲームを攻略できる。一方、スマホゲームは課金しないとキャラクターを獲得したり成長させたりゲームを攻略できない。その点で本作の方が健全。
【具体的な改善点の提案】
①キャラクタークリエイトの際にキャラの性格が３種類ランダムに決まります。たとえば「お嬢様」「苦労人」「腐女子」等です。ですがこれはクリエイトの自由度に大きく影響する要素であるため、ランダムではなくプレイヤーが選択できるようにするべきと思います。また、プレイヤーは主人公自身についてもキャラクリエイトできるべきでした。その場合でも主人公をシナリオに登場させることは可能であったはずです（主人公がペラペラしゃべらず寡黙にして会話の選択肢を選ばせるくらいならば主人公の性別や性格をはっきりと明示しないままシナリオのなかに主人公を含めることができます。そうしたシナリオのゲームは非常に多くあります。また、そうしたゲームの大半が評価されています）。
過去のととものシリーズが評価された背景にはキャラ設定を妄想したり何かを創作したりするのが日本人は好きだからです。ここはアクワイアの強みで勝負所であり、もっとも力を入れるべき部分でしたので惜しいです。そこをもう少し理解しツボを押さえるだけでも本作の評価はかなり上がったはずです。ボイスももっと選ばせてほしかった。
②ゲーム性についてですが、やり込んでいくなら確かに面白い部分はあります。気づくと時間が過ぎているような感じで、楽しいです。難易度も絶妙で、やりごたえはあります。ですが「率直な面白さ」というような部分はありません。その理由として画面が小さいのにマップが細かくて、しかもカメラの視点が一方向に固定され回転できないため非常に見づらく、操作性も低いこと。マップが３Ｄならキャラクターも３Ｄにすべきであるのにキャラクターが２Ｄのペラペラな紙芝居のように表現されていることも臨場感を妨げる。マップのカメラ回転が出来ずキャラクターも２Dなのであれば、マップも２Dっぽくした方が見やすかった。スマホのソシャゲの方がこういった部分に注意を配っている。
③キャラクターをタッチすると立ち絵とスキルの詳細が画面いっぱいに表示されるようにしてほしかった。いまどのキャラを選択していてどういうスキルをもっていたのかが簡単な操作で一目で分かるようにしてほしかった。
④キャラクターが移動の際に、キャラクターが将棋の駒のようにポンポンと動くのだけれども、やっつけ仕事のような感じで紙芝居を見ているようであり臨場感が感じられない。キャラクターが二次元であっても、せめて歩行の描写をするべきだった。スマホのソシャゲですら歩行の描写があるのに。
また、AIの質が悪すぎて意図しない方向に勝手に進んでしまうのがイライラした。この形なら進行ルートをカーナビのように矢印で表示できるようにした方がよい（例：ファイヤーエムブレム等）
⑤マップ上のギミックが分かりづらく、起動のボタン操作も分かりづらくただ煩わしい。視覚的にも操作のうえでも分かりやすくして１ボタンですぐ起動できるようにしてほしい。
【個人の感想として悪いと思う点】
①主人公は男性なのに声が女性にしか聞こえない。アニメなどで年齢的に幼い登場人物の場合は女性が少年の声を演じることはありますが、今作は完全に女性の声として聞こえます。
もしLGBTの方に配慮したいなら、ただ単純に主人公の性別を「男・女・中性」の３パターンで選べるようにすればよいのではありませんか。そのようにせずに、敢えて主人公の性別をトランスジェンダー固定にすることによって押しつけがましさがある。
そのくせ、一部のキャラデザインや背景で神道という特定の宗教色がつよいのも不思議に思った。それなら「巫女」「陰陽師」「神主」などという形でそういう職業の衣装にすればよいのに、なんで職業「ヒューマン」の衣装が神道を思わせる衣装なのだろうか。
②タワーディフェンスを謳ってはいるがタワーディフェンスとして見たときに、もっと良作のスマホゲームに対して全般的に競争力が無い。。他の方のレビューで「スマホゲーム並み」という意見が散見されますが実際には客観的に言っても「スマホゲームの方がたのしい」部分がありまして、昨今のスマホのソシャゲには「上位互換」のタワーディフェンスゲームがあります（嘘だと思われるのならアークナイツなど色々なソシャゲを是非プレイしてみて下さい）。
タワーディフェンスという着眼点は素晴らしいと思うしキャラクタークリエイトの自由度などアクワイアならではの強み「発想の豊かさ」は今作にも見られる。だが開発力や予算が無いなら無いなりにキャラクタークリエイトをもっと充実させたりローグライク系のRPGであったりシナリオを重視したアドベンチャーであったりシミュレーションであったり従来の「とともの」路線でさらにクオリティを高めたりと、如何様にもやりようはあったはず。
③仲間だけでなくヒロインや主人公自身をキャラクリエイトしたかったのにそれは出来ず主人公が喋るならばせめてシナリオに拘ってほしいのにシナリオのクオリティが「なろう小説」の足元にすら及ばない
ここまで酷評してきて評価を５にしたのは、「『ととものシリーズ』が好きだったから。」
そして「アクワイアは良作を出してきたので今後も恐れずに色々なゲームを作っていただきたいから。」星は３以下にはしません。
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