面白くて最後まで一気に読み終えました
登場人物も使う言葉も、作者らしいというか好きでした
氷菓がお好きな方は好きだと思います
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本と鍵の季節 〈図書委員〉シリーズ (集英社文庫) Kindle版
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堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2021/6/23
- ファイルサイズ2209 KB
販売: 株式会社 集英社
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登録情報
- ASIN : B0983CPV2B
- 出版社 : 集英社 (2021/6/23)
- 発売日 : 2021/6/23
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2209 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 294ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 9,102位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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米澤 穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』(東京創元社)で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』(新潮社)で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』、15年刊の『王とサーカス』(東京創元社)はそれぞれ3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成。
(本データは「いまさら翼といわれても 「古典部」シリーズ」が刊行された当時に掲載されていたものです。「BOOK著者紹介情報」より)
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
945グローバルレーティング
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イメージ付きのレビュー
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祖父が遺した開かずの金庫に秘められた真実
『本と鍵の季節』(米澤穂信著、集英社文庫)は、図書委員の男子高校生二人が謎解きに挑戦する連作短篇集です。収められている『913』は、私のような図書館大好き人間には堪らない作品です。高校2年生の堀川次郎と松倉詩門は、図書委員を引退した先輩、3年生の浦上麻里から、亡くなった祖父が遺した金庫を開けてほしいと頼まれます。ダイアルを回して番号を合わせて開ける方式の金庫だが、番号を教えてもらう前に祖父が亡くなってしまったというのです。二人は謎解きに立ち向かうが、「松倉は足を止め、僕の方を見もせずに、足元に目を落として呟くように言う。『この話は、もともと愉快な冗談だった。おじいちゃんが可愛い孫にしかけたお遊びだ。だけどいまは違う。もうお子様向きの冗談は終わっていて、もっとろくでもない、欲得ずくの話になってるよ。堀川、あの家ではなにかが起きてる。やっぱり俺たちは、他人の金庫なんかに関わるべきじゃなかった』」。「屈託のない、人を引き込むような笑顔だ。浦上先輩は欲得のため僕たちを利用しているのだ、と松倉は言う。けれどこの笑顔を目の当たりにした瞬間、松倉は間違っているという気になる」。遂に、二人は金庫を開けるための番号を突き止めることに成功します。ここで物語が終われば、鮮やかな暗号推理小説ということになるのだが、何と、その番号は恐るべき真実を告げていたのです。そして、金庫に入っていたのは・・・。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月3日に日本でレビュー済み
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高校二年の図書委員、語り手の〈僕〉こと堀川次郎と、同じ図書委員で友人の〈松倉〉こと松倉詩門(しもん)が、持ち込まれた謎の真相を推理し、解き明かしていくミステリー連作短編集。
2012年から2018年にかけて『小説すばる』に掲載された「913」「ロックオンロッカー」「金曜に彼は何をしたのか」「ない本」「昔話を聞かせておくれよ」に、2018年12月刊行の単行本書き下ろしの「友よ知るなかれ」の六編が収められています。
派手なトリックや仕掛けなどはないですが、〈僕〉と〈松倉〉の対話や行動から、謎がするすると解きほぐされていく様子が上手に描き出されていて、読みごたえがありました。著者のお話作りの上手さいうのを感じましたね。ビターな味わいなんだけど、読み心地はなめらか。どんな結末、謎解きが待ち受けているのかが気になって、ページをすいっ、すいっと、めくっていかずにはおれません。
メーテルリンクの『青い鳥』のキーワードからこっち、ひとつのアイテムが(それがなんであるかは、読んでみてのお楽しみ)、実にさりげなく、巧みに織り込まれているなあと感心させられた「金曜に彼は何をしたのか」と、松倉詩門が語る未解決の過去の出来事に端を発する「昔話を聞かせておくれよ」の二編が、なかでも面白かった。じっくりと読みふけってしまいましたよ。
あと、集英社文庫本の表紙カバーが素敵。
雰囲気ある書棚の写真と、坂野公一(welle design)さんのカバーデザイン。良いなあ。
2012年から2018年にかけて『小説すばる』に掲載された「913」「ロックオンロッカー」「金曜に彼は何をしたのか」「ない本」「昔話を聞かせておくれよ」に、2018年12月刊行の単行本書き下ろしの「友よ知るなかれ」の六編が収められています。
派手なトリックや仕掛けなどはないですが、〈僕〉と〈松倉〉の対話や行動から、謎がするすると解きほぐされていく様子が上手に描き出されていて、読みごたえがありました。著者のお話作りの上手さいうのを感じましたね。ビターな味わいなんだけど、読み心地はなめらか。どんな結末、謎解きが待ち受けているのかが気になって、ページをすいっ、すいっと、めくっていかずにはおれません。
メーテルリンクの『青い鳥』のキーワードからこっち、ひとつのアイテムが(それがなんであるかは、読んでみてのお楽しみ)、実にさりげなく、巧みに織り込まれているなあと感心させられた「金曜に彼は何をしたのか」と、松倉詩門が語る未解決の過去の出来事に端を発する「昔話を聞かせておくれよ」の二編が、なかでも面白かった。じっくりと読みふけってしまいましたよ。
あと、集英社文庫本の表紙カバーが素敵。
雰囲気ある書棚の写真と、坂野公一(welle design)さんのカバーデザイン。良いなあ。
2023年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「名探偵と助手」ではなく「探偵が二人」という構図が珍しく、事件によって名探偵役がどちらになるのか分からないのも面白い。
二人は図書委員という接点しかないが、なにかと二人で事件に巻き込まれる羽目になる。
互いの推理力を認めあっている二人だが、性格が似てるようで似てない二人だからこそ、同じ事件に向き合っているのに推理が異なることもある。ページが進むにつれてそれらの理由や、本質が明らかになっていく。二人の人格形成が推理に影響を与えているのも、青春ミステリーならではの醍醐味のように思う。
軽すぎず重すぎず心に残る物語になっていて、物語個人的にはかなり面白かった。
二人は図書委員という接点しかないが、なにかと二人で事件に巻き込まれる羽目になる。
互いの推理力を認めあっている二人だが、性格が似てるようで似てない二人だからこそ、同じ事件に向き合っているのに推理が異なることもある。ページが進むにつれてそれらの理由や、本質が明らかになっていく。二人の人格形成が推理に影響を与えているのも、青春ミステリーならではの醍醐味のように思う。
軽すぎず重すぎず心に残る物語になっていて、物語個人的にはかなり面白かった。
2023年5月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに印象に残るラストシーンは久しぶりだった。読んで良かった。
2021年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
図書室ミステリーと言うことで、ビブリオミステリーなのかと思いきや、ちっともそんな要素はなかった。図書委員である、二人の男子高校生が、遭遇する日常の謎を解き明かすもので、あえて分類すれば、青春ミステリーだろうか。
初めは単発の短編だったようだが、謎めいた所がある、松倉自身の抱える秘密に、相棒の堀川が関わる短編をラストに、少しずつ伏線を張った、オムニバス短編集となった。個々の作品もそこそこ面白いけれど、二人の友情を描く青春ミステリーとして、さすがにうまい構成と思う。
どの作品も共通して、ややほろ苦い味わいで、悪く言えばスッキリしないのだが、この作者らしくて、悪くない。全体的にもビタートーンで、松倉の抱える秘密を知った、堀川の葛藤と苦悩、それを乗り越えた二人の友情、と言う流れは、いかにも青春小説であった。
ただし、かなり強引な状況設定は、リアリティーに欠けるところがあり、「日常の謎」系のミステリーとしては気になった。又、あえて恋愛関係を絡ませず、硬派な男子高校生二人の友情、と言うのも逆に不自然さを感じてしまった。同性愛と言うわけでもなさそうーいや、そうなのか?
初めは単発の短編だったようだが、謎めいた所がある、松倉自身の抱える秘密に、相棒の堀川が関わる短編をラストに、少しずつ伏線を張った、オムニバス短編集となった。個々の作品もそこそこ面白いけれど、二人の友情を描く青春ミステリーとして、さすがにうまい構成と思う。
どの作品も共通して、ややほろ苦い味わいで、悪く言えばスッキリしないのだが、この作者らしくて、悪くない。全体的にもビタートーンで、松倉の抱える秘密を知った、堀川の葛藤と苦悩、それを乗り越えた二人の友情、と言う流れは、いかにも青春小説であった。
ただし、かなり強引な状況設定は、リアリティーに欠けるところがあり、「日常の謎」系のミステリーとしては気になった。又、あえて恋愛関係を絡ませず、硬派な男子高校生二人の友情、と言うのも逆に不自然さを感じてしまった。同性愛と言うわけでもなさそうーいや、そうなのか?
2023年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
図書委員の高校生コンビが活躍する連作。米澤穂信氏のヒット「氷菓」シリーズに通じる、魅力があふれています。どちらがホームズで、どちらかがワトソンというわけでなく、二人がそれぞれの立場で推理し、互いに補完的に話が進められていく。ここがこの作品の面白みでしょう。最後に切ない話があり、青春のほろ苦さもあってそれが読後に響く。
2022年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ホームズとワトスンではなく、お互いを認め合える2人の高校生の青春ミステリー。
段落ごとに完結しているので読みやすく、図書委員である2人の心情や背景、関係性が深まっていくのがわかります。
終わり方が綺麗すぎて、続編を読みたくない!
段落ごとに完結しているので読みやすく、図書委員である2人の心情や背景、関係性が深まっていくのがわかります。
終わり方が綺麗すぎて、続編を読みたくない!