二つの夢に向け、9区走った 筑波大たった1人の5年生

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山口裕起
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(3日、箱根駅伝)

 第1回大会の王者・東京高等師範学校の流れをくむ筑波大が26年ぶりに箱根路に帰ってきた。箱根駅伝の復路9区で最後方21番目、繰り上げスタートぎりぎりでたすきを受けた川瀬宙夢(ひろむ)は、医学群で学ぶ5年生だ。箱根とドクターの二つへの道を全力で走ってきた。

 「箱根駅伝に出ることと医師になることが夢だった。どちらも譲れない。両方を目指せるのが筑波大だった」。中学時代にやっていたサッカーでけがをした時に治療してくれた医師に、あこがれた。

 愛知・刈谷高から1浪の末に入学。実習や研究などで忙しいなか、チームと一緒に練習ができない時は日の出前の早朝に1人で練習した。箱根の予選会前日に採血されたり、記録会の前日に7時間のテストを受けたりすることもあったが、「さすがにパフォーマンスは落ちたけどあきらめずに走った」と振り返る。

 一方で医学生ならではの知識を競技に生かすことも。「大学の実習で、筋肉はこうなっているのか、と学べている。MRIよりイメージができた」。中高時代に多かったけがは医学を深めることで激減。チームメートにも助言し、相談役も買って出る。

 自身4回目となった10月の…

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この記事を書いた人
山口裕起
スポーツ部|野球担当
専門・関心分野
プロ野球、高校野球