「負けは許されない」京都1区、運動担った自民府議が選挙違反の疑い
衆院選をめぐる選挙違反の疑いが明らかになった。選挙運動の見返りに報酬を約束したとして、自民会派に所属する岸本裕一府議(68)=北区選出=が、公職選挙法違反(買収約束)容疑で15日、京都府警に書類送検された。岸本府議は、伊吹文明元衆院議長が引退し、激戦区となった1区の選挙運動を担っていた。
「負けるなんて許されない。伊吹先生があれだけ応援していたのに。負けるのは泥を塗ることだ」
ある陣営関係者はこう明かした。
京都1区は、12期務めた自民重鎮の伊吹氏が引退し、後継として新顔の勝目康氏(47)が立候補。自民、維新、共産の3人が争う激戦区になった。
課題は、勝目氏の知名度不足だった。自民府連からは「もしかしたら選挙区で落選するかも」との声も漏れたという。伊吹氏が「二人三脚」で後援会を回り、「勝目君を後継者として当選させることが私の務め。今回は私に投票したと思って勝目君に力を貸して助けてあげて下さい」と支持を訴えていた。
岸本府議は10月12日ごろ、勝目氏への投票を有権者に呼びかける「電話作戦」の報酬として、運動員3人に時給1千円を支払う約束をした疑いがある。ある市議は「名も知らぬ新人に票が必要で、岸本氏は功名心もあり一生懸命だったんだろう」と話した。
岸本府議は「体調不良」を理由に、11月下旬から開会中の府議会の欠席を続け、代理人を通じ、14日付の議員辞職願を菅谷寛志議長宛てに提出。府議会は15日、臨時の本会議を開き岸本府議の辞職を許可した。
自民党府議団の荒巻隆三代表幹事は、朝日新聞の取材に対し、「辞任をしたことを重く受け止めたい」と語った。
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