6月19日の東京都杉並区長選で初当選した岸本聡子氏(47)が11日、区長に就任し、記者会見を開いた。公約とした「対話を大切にする区政」の実現を改めて掲げた。3期務めた前区長の田中良氏を破ったものの、187票という小差だった結果を重く受け止め、「私に投票しなかった人たちの思いをより意識的に聞いていく」と述べた。
記事後半で「就任メッセージ」全文を紹介しています。
区長選の争点となった児童館など区立施設再編について、今年度中の再編対象もあるが、「計画ありきでなく、丁寧に話を聞いていく」。職員や利用者らを中心に、地域の事情と合わせて検討する考えを示した。JR西荻窪駅周辺の道路開発計画も、住民の意見などを探っていくとした。
情報公開を区政運営の要に位置づけ、「関係者が同じレベルで情報共有できないと対話にならない」と説明。区民や報道関係者がわざわざ情報公開請求せずとも済むような、「使い勝手のよい」アクセス方法を検討すると約束した。
環境問題への対応や多様性、ジェンダー平等の先進自治体をめざす取り組みの一つとして、「区職員の潜在能力の発掘」をあげた。現在、23ある部長職で女性はゼロだと指摘。働く環境整備を通じて、「将来的に女性の幹部職員を増やしていきたい」と述べた。
この会見は、YouTubeでライブ配信された。「開かれた記者会見」にしていくため、今後もフリーや海外記者らの参加を積極的に受け付けるという。
岸本氏は区長就任前、所属していた国際的なシンクタンク「トランスナショナル研究所」(オランダ)を退職したと明らかにした。(井上恵一朗)
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