【詳報】ウクライナ侵攻32、7月19日~23日(日本時間)の動き

[PR]

 ロシアの黒海封鎖によりウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題で、仲介する国連とトルコが22日、輸出再開に向けてロシア、ウクライナそれぞれとの合意文書に署名しました。世界的な食料危機の懸念が高まるなか、事態の打開につながるか注目されます。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■7月23日(日本時間)■■■

22:55(アンカラ16:55)

「ロシアは無関係主張」とトルコ国防相

 ウクライナ南部の黒海沿岸のオデーサ港がミサイル攻撃を受けたことについて、トルコのアカル国防相は23日、「ロシア側は自分たちは今回の攻撃とは完全に無関係だと言っている」と明らかにした。アナトリア通信が伝えた。

 トルコは国連とともに22日に食料輸出再開に向けた合意を仲介。アカル氏は合意文書に署名していた。

 同通信によると、アカル氏はオデーサ港への攻撃の事態を受け、ウクライナ、ロシア双方と連絡を取った。ロシア側は関与を否定し、状況を調べるとしているという。アカル氏は今回の攻撃について「非常に困惑している」とし、「我々は合意についての責任を果たしていく」と訴えた。

19:50(ニューヨーク06:50)

国連事務総長「はっきりと非難する」

 ウクライナ南部の黒海に面するオデーサ港がミサイル攻撃を受けたことについて、国連のグテーレス事務総長は「はっきりと非難する」との声明を副報道官を通じて出した。

 グテーレス氏は「昨日、すべての当事者が、ウクライナの穀物と関連商品を各国の市場に安全に送るため、世界的な舞台で明確な約束を交わした」と指摘。食料危機に困窮する人びとの苦しみをやわらげるため、ロシア、ウクライナ、トルコによる約束の「完全な履行」が「絶対必要だ」と訴えた。

19:00(キーウ13:00)

「国連事務総長、トルコ大統領につば」と批判

 ウクライナ南部のオデーサ港がロシアのミサイル攻撃を受けたことについて、ウクライナ外務省のニコレンコ報道官は、SNSに「ロシアのプーチン大統領は、グテーレス国連事務総長やトルコのエルドアン大統領の顔につばを吐いた」と投稿した。

 オデーサ港はウクライナからの食料輸出の再開をめぐる合意文書で穀物の積み出し港とされ、グテーレス氏とエルドアン氏はロシア、ウクライナそれぞれとの署名式に立ち会った。

 ニコレンコ氏は国連やトルコに対しても、ロシアに安全な穀物輸送を保証する義務を果たさせるよう求めた。

17:50(オデーサ11:50)

ロシア軍がオデーサ港をミサイル攻撃 食料合意の翌日

 ウクライナメディアによると、同国南部の黒海に面するオデーサ港が23日、ロシア軍の「カリブル」タイプの巡航ミサイルの攻撃を受けた。4発のミサイルのうち2発がウクライナ軍によって迎撃されたものの、残る2発が港内の施設に着弾し、火災が起きたという。

 22日にロシアとウクライナがそれぞれ、国連とトルコと食料輸出の再開のための合意文書を交わしており、オデーサ港は穀物の積み出し港に定められていた。

 ニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」によると、オデーサ出身のオレクシー・ホンチャレンコ議員はロシアを「一方の手で合意に署名して、もう一方の手でミサイルを撃ち込んでいる」と批判した。

15:30(ロンドン07:30)

ウクライナ軍、ロシア支配下の南部で奪還に向け攻撃

 英国防省は23日、ロシアの…

この記事は有料記事です。残り16074文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    福田充
    (日本大学危機管理学部教授)
    2022年7月21日8時20分 投稿
    【視点】

    見出しのように、ロシア軍がザポリージャ原子力発電所施設を兵器庫、武器庫としようとしていることを、ウクライナの原子力企業エネルゴアトム社が発表しました。 原発を盾にしてウクライナ軍の攻撃から自軍を守ろうとする「原発の軍事基地化」であり、これ

    …続きを読む
ウクライナ情勢 最新ニュース

ウクライナ情勢 最新ニュース

ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]