「出産=引退」くつがえした母の言葉 息子と描き直す幸福な引き際

有料記事スポーツPlus

金島淑華
[PR]

 「息子を抱っこして、ピッチに入場する」

 今年3月、あるサッカー選手が夢をかなえた。

 「歴史の一ページに残る大きなことをしたんだなと思います」。そう振り返るのは、WEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザでプレーする岩清水梓(35)。

スポーツPlus

スポーツPlusはオリジナル記事を有料会員の方にメールで先行配信するニュースレターです。今回は8月9日配信分をWEB版でお届けします。

 我が子との入場シーンは男子では珍しくないが、日本の女子では出産後に現役を続ける例すらほとんどない。

 33歳で妊娠が分かったとき、先輩たちがそうしてきたように、引退するつもりだった。

 なでしこジャパンのDFとして、2011年のワールドカップ初優勝や翌年のロンドン・オリンピック(五輪)での銀メダルに貢献したが、ここ数年は「クラブの後輩が育ってきて、自分がいなくても大丈夫かなとも思ったり……」。十分すぎる実績や経験を積み重ね、正直、やりがいを見いだしにくくもなっていた。

 「やめる」と伝えるため、実…

この記事は有料記事です。残り1348文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
金島淑華
スポーツ部次長
専門・関心分野
スポーツ、子ども
スポーツPlus

スポーツPlus

競技に生きる、そこに生きた、それを支えた人たちの、勝ち負けだけじゃない物語を描きます。ニュースレター「スポーツPlus」は、有料会員の方に毎週お届けします。[もっと見る]