「息子を抱っこして、ピッチに入場する」
今年3月、あるサッカー選手が夢をかなえた。
「歴史の一ページに残る大きなことをしたんだなと思います」。そう振り返るのは、WEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザでプレーする岩清水梓(35)。
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我が子との入場シーンは男子では珍しくないが、日本の女子では出産後に現役を続ける例すらほとんどない。
33歳で妊娠が分かったとき、先輩たちがそうしてきたように、引退するつもりだった。
なでしこジャパンのDFとして、2011年のワールドカップ初優勝や翌年のロンドン・オリンピック(五輪)での銀メダルに貢献したが、ここ数年は「クラブの後輩が育ってきて、自分がいなくても大丈夫かなとも思ったり……」。十分すぎる実績や経験を積み重ね、正直、やりがいを見いだしにくくもなっていた。
「やめる」と伝えるため、実…