第9回「保育園に当たり外れ、おかしい」 遺族が語る、虐待事件の根っこ

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 大阪府の藤井真希さん(43)の長女、さつきちゃんは0歳だった12年前、市の保育事業に預けた際に意識不明の状態となり、3年後に亡くなりました。藤井さんは、保育事故の遺族らでつくる団体で活動を続けています。

 最近、各地で虐待などの問題のある保育が発覚しています。ただ、以前からこうした実態はあり、保育死亡事故にもつながっていました。藤井さんは、「根本的に『当たり外れ』が出てしまいかねない現状の保育制度がおかしい」と訴えます。

 ――お子さんが遭った保育事故について、教えてください。

 長女を大阪府八尾市の保育ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)で紹介された一般家庭に預けた際、事故がおきました。いまだに、その時に何があったかわからないままです。

 当時、さつきは生後5カ月。預けたのは、私が病院に行く1時間の間でした。

 1時間後に迎えに行くと、救急車が呼ばれていました。さつきは一時心肺停止になり、その後、意識不明の状態が続きました。約1年半後に在宅医療も始めて闘病していましたが、事故から3年後に亡くなりました。

 ――どんな姿を思い出しますか。

 さつきが「あー、うー、うー…

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この記事を書いた人
田渕紫織
東京社会部
専門・関心分野
メディア、子ども、災害
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