あの日がなければ、駒大に花尾恭輔はいなかった 恩師も「すごい縁」
辻隆徳
駒沢大3年の花尾恭輔は元々、大学へ進む気がなかった。
長崎・鎮西学院高陸上部で指導にあたった入江初舟さん(46)は振り返る。
「卒業したら九州の実業団に進みたいと言われた」
花尾が1年生のとき、箱根駅伝を見たかと聞いたら、こう返ってきた。
「見てないです。ニューイヤー駅伝は見ました」
入江さんは苦笑する。
「あーそっちかって(笑)。走ることを、早く仕事にしたかったんだと思います」
誰からも好かれる選手だった。
夏に他校と合同で合宿を張っ…