【詳報】ウクライナ侵攻62、2月18日~2月24日(日本時間)の動き

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 ロシアによるウクライナ侵攻から1年を翌日に控えた23日、両国の大統領が火花を散らせました。

 ロシアのプーチン大統領は「祖国防衛者の日」のビデオ演説で、ウクライナを「我々の歴史的な領土」と呼び、自国の核戦力の強化に引き続き取り組む意向を示しました。

 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、SNSに国民に向けたメッセージを投稿して「我々は屈しない。私たちの領土に悪と戦争をもたらした者の責任を問う」と訴えました。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

【ツイート分析】SNSが伝えた戦場 ウクライナ侵攻1年

SNSはウクライナ侵攻でどんな役割を果たしたのでしょうか。戦場の様子や解放の喜び、そしてロシアに不都合な事実。この1年、世界を駆け巡ったツイートを振り返ります。

■■■2月24日(日本時間)■■■

21:45(キーウ24日14:45)

ポーランド首相、「レオパルト2」4両を引き渡し

 ポーランドのモラビエツキ首相は24日、ウクライナの首都キーウで、同国にドイツ製の主力戦車「レオパルト2」4両を引き渡したと発表した。ロイター通信が伝えた。

 モラビエツキ首相はゼレンスキー大統領との会談後の共同会見で、4両以外にもさらに提供する準備が整っているとし、「ロシアに完全に勝利するまで、ウクライナを支援し離れることはない」と語りかけた。

 レオパルト2をめぐっては、ウクライナ軍の兵士がドイツなどで操縦の訓練を受けており、実際に戦地で使われるのは3月末以降と見込まれている。

21:02(ブリュッセル24日13:02)

NATO事務総長、中国の仲裁提案は「信頼できない」

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は24日、ロシアとウクライナの双方に停戦を呼びかけた中国の提案について、「中国は違法なウクライナ侵攻を批判できておらず、信頼できない」と述べた。

 ストルテンベルグ氏は、ウクライナ侵攻1年とエストニアの独立記念日に合わせて欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長とともにエストニアを訪問。同国のカラス首相との3人で共同会見した。

 その中で、ストルテンベルグ氏は、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が侵攻の数日前に無制限のパートナーシップに合意したと指摘し、中国の提案に不信感を示した。

 中国によるロシアへの武器提供についても、「殺傷力のある物資の支援はまだ見られていないが、中国がロシアに兵器の提供を検討し、計画している可能性がある兆候は確認している」と警戒した。

 フォンデアライエン氏は「侵攻の開始以来、中国はロシア側についている」として、中国の提案について否定的な見方を示した。

20:15(ベンガルール16:45)

フランスの経済・財務相「対ロシア制裁効いている」

 フランスのルメール経済・財務相は24日、訪問中のインドで記者会見を開き、「対ロシア制裁は効いており、ロシアの石油収入も減っている」と強調した。

 ルメール氏は、主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議にあわせて会見を開催。ロシアのウクライナ侵攻について「(我々は)ロシアの違法かつ残忍な攻撃に対する強い非難を再確認することを決意している」と表明した。

 会議では共同声明の採択を巡って協議が続けられていると明かし、「(ウクライナでの戦争を非難するとの文言が盛り込まれた)昨年のG20首脳宣言から、一歩でも後退することには反対だ」と述べた。

19:00(ワシントン24日05:00)

200以上の個人・団体に新たに制裁

 米ホワイトハウスは24日、ロシアによるウクライナ侵攻を手助けしているとして、ロシアに加えて欧州、アジア、中東の200以上の個人と団体に対して、新たな経済制裁を科すと発表した。主要7カ国(G7)とも連携して、ロシアによる「制裁逃れ」を取り締まるとしている。

 ホワイトハウスはまた、ロシアの防衛産業を支援したとして、ロシアとロシア以外の国の約90の企業を輸出管理の対象に追加することも発表した。ここには中国の企業も含まれる。米国製の半導体や米国の技術を取引することを禁じる。軍事兵器に欠かせない半導体などの重要物資が、ロシアに渡るのを阻む狙いがある。

 このほか、ロシアから米国に輸入される物品に対する関税の引き上げも決めた。

18:47(ロンドン24日09:47)

英国防相「短期的には戦闘機送るつもりない」

 英国のウォレス国防相は24日、ウクライナ側が求めている戦闘機の供与について、「短期的には我々自身の戦闘機を送るつもりはない」と述べた。英紙ガーディアンなどが伝えた。

 ウォレス氏はロシアによるウクライナ侵攻から1年を迎えた同日、ラジオなどのインタビューに応じた。英国製の戦闘機タイフーンをウクライナへ供与するには、戦闘機だけではなく、整備や訓練などのために英国空軍の関係者を200人送る必要が出てくると説明。「西側諸国がこの規模の部隊をウクライナに送ることはない」と話した。

 一方で、東欧諸国旧ソ連製の戦闘機をウクライナに供与し、英国がその分を補う形で東欧諸国に自国の戦闘機を提供する方が効果があるとの考えも示した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は今月8日に英国を訪れた際に英議会で「ウクライナのために戦闘機を、自由のための翼を」と訴えて、戦闘機の供与を求めていた。

 フランスやドイツ、米国にも戦闘機の供与を働きかけているが、戦争がエスカレートする恐れやパイロットの訓練に時間がかかることから西側諸国は慎重な姿勢を保っている。

18:27(ブダペスト24日10:27)

ハンガリーのオルバン首相「和平交渉の見通しは暗い」

 ハンガリーのオルバン首相は24日、開始から1年を迎えたロシアによるウクライナ侵攻の和平について、「最初のステップが停戦であることは間違いない」とツイッターに投稿した。

 オルバン氏は「私たちは世間知らずではない。互いに受け入れられる和平交渉の見通しが暗いことは分かっている」と投稿。その上で、「停戦が命を救う唯一の方法だ」と訴えた。

 ハンガリーは欧州連合(EU)の加盟国だが、オルバン氏はロシアに融和的な姿勢で、独自路線を取っている。18日には議会での演説で「我々はロシアとの経済関係を維持する。我々に残された唯一の選択肢は戦争に関わらないことだ」と述べていた。

18:10

「自らの国は自ら守るという強固な信念と勇気を目の当たりにしている」 岸田文雄首相会見

 岸田文雄首相は24日、ロシアによるウクライナ侵攻から1年になるのを機に首相官邸で記者会見した。

 岸田首相は「我々は、ウクライナ国民が、自らの国は自ら守るという強固な信念と勇気を行動で示している姿を目の当たりにしている」と述べ、ウクライナへの支援とロシアに対する制裁を着実に実施していく考えを強調した。

 「今日(こんにち)のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べたうえで、「世界が歴史的転換点にある今、日本独自の立ち位置を生かして外交力を発揮する。有志国と連携して、次の平和秩序づくりに貢献をしていく」と決意を語った。

 支援をめぐっては、防衛装備移転三原則によって、「殺傷性のある装備品を提供することには制約がある」と説明。「日本ならではの形で切れ目なくウクライナを支えていく」とした。

17:34(キーウ24日10:34)

ブチャに新たなショッピングモール建設計画

 ウクライナのホームセンターチェーン「エピセンター」は24日、首都キーウ近郊のブチャに新しいショッピングモールを建設すると発表した。ブチャはロシア軍による残虐行為が明らかになった場所だけに、人々が希望を取り戻せる場所にしたいという。インタファクス・ウクライナ通信が伝えた。

 ショッピングモールの敷地面積は約10万平方メートル。ロシア軍に破壊された以前のショッピングモールの5倍の大きさになる予定。地下には空爆に備えてシェルターも作る。完成時期は不明だが、すでに設計に入っているという。

 同社は、「ブチャはウクライナの国民にとって痛みと苦しみの象徴だが、その再生は新しい歴史の始まりになる。商業的というより、むしろ社会的なプロジェクトだ」としている。

17:26(モスクワ24日11:26)

ウクライナカラーやメッセージ ロシア国内でも

 ロシアのウクライナ侵攻から…

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