友に打ち明けた少年時代の性被害 返ってきた言葉に心をえぐられた

有料記事子どもへの性暴力

塩入彩 狩野浩平 編集委員・大久保真紀
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 「こいつ、ホモられたんだって」

 川崎市に住む男性(48)は、高校時代に友人からかけられた言葉を、いまも忘れずにいる。

 「ホモ」は、男性同性愛者を侮蔑的に表現する際に使われることが多い。心をえぐられる思いだった。

 きっかけは、ほかの女子生徒の交際の話だった。その流れで、同級生に「おまえは女できないのか」と聞かれた。

 頭をよぎったのは、小学6年生の時の「被害」の記憶。

 子どもの性被害について考える企画「子どもへの性暴力」第8部は、男の子の被害を取り上げます。男の子の性被害は、被害を被害と認識しづらく、相談することへのハードルも高くなります。周囲の無理解も被害者を苦しめています。事実を知ることが対策への第一歩と考え、記事では被害の状況などを詳しく記しています。記事の後半では20年以上被害者と向き合ってきた臨床心理士のインタビューも掲載しています。

 当時、仲良しだった近所の中学生の少年の家に遊びに行った。外で野球をしたり、家でゲームをしたりする仲で、家を訪ねるのも初めてではなかった。

 部屋で、腕を上げて伸びをし…

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この記事を書いた人
塩入彩
首都圏ニュースセンター|教育、武蔵野地区担当
専門・関心分野
ジェンダー、教育、性暴力、性教育
狩野浩平
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
いじめ、不登校、子どもの権利、ニューロダイバーシティー、幼児教育、性暴力