第4回激戦制し「銀座のママ」が国政へ 猛反対した母が聞いた最終日の演説

有料記事初当選 女性たちの挑戦

杉山あかり
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 当選確実と報じられると、涙を抑えられず、両手で顔を覆った。

 23日に投開票された参院大分選挙区補欠選挙で、自民党公認の白坂亜紀氏(56)は341票差の激戦を制した。

 歓声が響くなか、支援者が待つホテルの会場に姿をあらわす。目に涙を浮かべたまま、感謝の言葉を述べた。

 「胸がいっぱいです。まったくの新人を応援してくださった故郷、大分のみなさま、ありがとうございます」

 約40日前。白坂氏は自民党大分県連が行った公募で、7人の中から立候補予定者に選ばれた。

 記者会見や選挙用の写真撮影などを慌ただしくこなす。次の打ち合わせまでは、約4時間の空き時間があった。

 「気が重いわ」。そう話しながら、タクシーに飛び乗った。

 タクシーの中で、500ミリリットルのハイボールの缶を片手に、少しゆううつな表情で電話をかけた。

 「亜紀です。報告することがあるので、いま家に向かっています」

「絶対だめ」母が猛反対した理由

 電話の先は、同県竹田市の実…

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この記事を書いた人
杉山あかり
神戸総局|神戸市政担当
専門・関心分野
国内政治、ジェンダー、福祉
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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2023年4月24日11時6分 投稿
    【視点】

    立候補するということはどういうことか、立候補に伴う困難さ、当選するまでのプロセスを非常に考えさせられる記事です。 何よりも白坂さんの経験から浮かび上がるのが、よく言えば戦略的、悪く言えば柔軟性に欠けて議員一人ひとりの個性を活かしきれない硬

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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2023年4月25日7時9分 投稿
    【視点】

    >指導は続く。カリスマ「銀座のママ」としての講演活動で身につけた、ゆったりとした話し方には「やる気がない」「声が小さい」「新人っぽくない」と言われた。 絶句。 これは選挙に勝つためというよりも悪い意味での通過儀礼です。 「俺た

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