当事者の会立ち上げた元ジャニーズJr. 相談室の対応「失望した」

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島崎周
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 元ジャニーズJr.の中村一也さん(36)は6月末、ジャニーズ事務所が設置した「心のケア相談室」に電話をした。

 電話口に出たのは、「公認心理師」を名乗る女性だった。

 「今、お困りのことをうかがい、医療やカウンセリングへの対応の相談をしたい」と言われた。

 相談室は、ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐり、事務所が設置した外部窓口だ。

 かつて喜多川氏から性被害を受けたという中村さん。被害者に対して、どんな対応をするのか確かめたいと思い、事務所のサイトから連絡先を探したところ、見つかったのは相談室へのリンクだった。クリックすると、名前や生年月日、所属時期、相談内容などの入力が必須項目となっているフォームが表示され、必要な情報を入力し送信した。

 その後、メールで相談室から返信がきた。対面ではなく電話対応が前提で、日時は一番早くても2週間後、通話時間は50分とあった。

 6月末の相談室との電話のやりとりで違和感を覚えたのが、電話の相手に名前をたずねても名乗らなかったことだった。

 この日、中村さんは、事務所が性加害の事実を認め、自身も謝罪を受けているわけではないなかで、「心のケア」と言われても違和感を覚えるといったことなどを伝えた。

東京ドームでの公演後、被害に

 また、被害者に対してどんな心のケアをしているのか知りたいとたずねたが、明確な回答は得られず、名前も何度かたずねたが教えてもらえなかったという。

 「相手が誰なのかもよくわからないなか、プライバシーが守られると言われても全く説得力がない。事務的なマニュアル通りの対応と感じて、失望した」

ジャニーズ事務所が設置した心のケア相談室の対応について、相談室は取材に「慎重な対応にならざるをえない」との見解を示しています。記事の後半では、性被害の相談を受ける専門家の意見も掲載しています。

 13歳だった2001年、Jr.たちがメインのテレビ番組「8時だJ」を見て憧れ、事務所に入った。

 埼玉県内の中学からレッスンを受けに東京に通った。テレビに出るようになると、帰宅は午後11時ごろになることもしばしばだった。

 喜多川氏から「他のJr.が…

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
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