きょう何曜日?ごみ捨てられぬ苦悩 時の感覚失う認知症、ITで支援

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日比野容子
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 壁掛けカレンダーを見ても、今日が何月何日で何曜日なのかわからない――。認知症の比較的初期から現れる、「時」がわからなくなる症状。本人にとっても家族にとっても、戸惑いを感じる場合が多いかもしれません。悩む方々をIT(情報技術)で支えようとする取り組みがあります。(日比野容子)

認知症の男性「きょうは何日か、誰か教えて」

 2021年、夏。

 京都市で一人暮らしをしている男性(83)の家に、遠方に住む長女が帰省した。コロナ禍で、1年以上会えていなかった。ドアを開けた瞬間、長女は目を疑った。ごみが家中に散乱して足の踏み場がなく、異臭もする。何より驚いたのは、父親が激ヤセしていたことだ。「ごみ屋敷」「孤独死」。そんな言葉が脳裏をよぎった。

 長女から連絡を受けた地域包…

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この記事を書いた人
日比野容子
京都総局
専門・関心分野
オーバーツーリズム、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州事情など