「原作を読んだらまさに鳥山明ワールド全開。女の子が出てこない。おじいちゃんばかり出てくる」
18日から公開中のアニメ映画「SAND LAND」の横嶋俊久監督に鳥山明さんの原作マンガの印象を聞いたら、こんな答えが返ってきました。主人公ということになってる悪魔の王子ベルゼブブは子どものように見えて実は2500歳、お目付け役の魔物シーフはもっと年上で白いヒゲがふさふさ。彼らと組んで戦車で砂漠の旅と冒険を繰り広げる人間の保安官ラオも白髪の似合う渋い男。みんなジイサンですな。敵の軍人もオッサンとジイサン、邪魔してくる悪党一味のリーダーもマッチョな海パンじじい。メインキャラ8人全員オトコで、6人がヒゲ。ヒゲダンLANDです。
しかしマンガもアニメも面白い。人間も魔物も水不足にあえぐ砂漠の王国で、ラオがベルゼブブとシーフと共に「幻の泉」を探す旅に出て、あやしい動きをする軍と対決、やがて驚くべき陰謀が明らかに――という物語。原作は、「ドラゴンボール」長期連載を終えた鳥山さんが2000年に週刊少年ジャンプに短期集中連載した全1巻のコンパクトな中編(短編?)。初めからオチまで決めて執筆したので完成度が高くキレイにまとまっていて、アシスタントを使わず一人で描き上げたため絵の純度も高く、その分こだわりも趣味性もいっぱい詰まった作品となりました。映画もまた、その純度と完成度と趣味性が生き生きと躍っています。
横嶋監督を取材するのはこれ…