「布川事件」で再審無罪 桜井昌司さんが直腸がんのため死去
1967年に茨城県利根町布川(ふかわ)で起きた強盗殺人事件「布川事件」で、44年後に再審無罪が確定した桜井昌司(さくらい・しょうじ)さんが23日午前10時30分、直腸がんのため、水戸市内の病院で死去した。76歳だった。親族が朝日新聞の取材に対し、明らかにした。
桜井さんは20歳だった67年、茨城県利根町布川で起きた強盗殺人事件で、2015年に亡くなった杉山卓男(たかお)さんとともに起訴され、78年に無期懲役が確定。29年間、獄中にいて、96年に仮釈放された。
無実を訴え続け、2度にわたって再審を請求。水戸地裁土浦支部が05年、「自白は遺体の状況と矛盾する可能性が高い」などとして再審開始を決定した。
東京高裁、最高裁も決定を支持し、10年に再審公判が始まった。水戸地裁土浦支部が11年に無罪判決を出し、水戸地検が控訴を断念したため、無罪が確定した。21年には国家賠償請求訴訟でも勝訴した。
桜井さんは19年に直腸がんが判明し、闘病を続けていた。昨年には桜井さんの人生を追ったドキュメンタリー映画「オレの記念日」が全国公開された。妻の恵子さんによると、自宅で療養していたが、21日に水戸市内の病院に入院したという。
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