パレスチナ情勢 10月10日~12日(日本時間)にあったこと

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 パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突で、双方の死者数が11日、計2200人を超えました。イスラエル軍はすでにガザとの境界近くに約10万人を待機させており、地上侵攻の可能性が高まっています。イスラエルはシリアやレバノンの領内からも、武装勢力などによるとみられる攻撃を受けており、緊張が他の地域にも拡大しています。

 11日時点でのイスラエルメディアの報道によると、同国側の死者は少なくとも1200人、負傷者は2400人。また、100~150人がガザ地区へ連れ去られました。一方、ガザの保健省の発表によると、ガザ側の死者数は1055人、負傷者数は5184人にのぼります。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■10月12日(日本時間)■■■

23:04(ラマラ17:04)

パレスチナ自治政府アッバス議長、「イスラエル、ハマスともに受け入れない」

 パレスチナ自治政府は12日、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが軍事衝突を続けるなか、両者ともに受け入れられないとするアッバス議長の声明を発表した。

 声明によると、アッバス議長は両者ともに「民間人を殺害し、虐待しており、モラルと信仰と国際法に反している」と指摘。政治的な目標の実現のために暴力の放棄と、国際的な正統性、平和的な民衆の抵抗運動を堅持する必要があるとした。

 パレスチナ自治区は、ヨルダン川西岸地区をアッバス議長をトップとするパレスチナ自治政府が統治し、ガザ地区をハマスが実効支配する分裂状態が2007年以降続いている。

23:00(ブリュッセル16:00)

米国防長官「ウクライナを支援しながらイスラエルもできる」

 オースティン米国防長官が12日、訪問先のブリュッセルで記者会見し、「我々はウクライナを支援しながらイスラエルを支援できるし、そうするつもりだ。米国は二つのことを同時に出来る」と述べた。

 イスラエル軍が、米国が提供した兵器を使い、ガザ地区の民間人を殺害する可能性について問われると、使い方には「いかなる条件もつけていない」と答えた。「(イスラエル軍は)プロの指導者が率いるプロの軍隊だ。正しいことをすると望み、期待している」とも述べた。

 また、北大西洋条約機構(NATO)がイスラエルの自衛権について、被ったテロ攻撃に「釣りあう」形での自衛権を支持すると表明したことについての質問には「イスラエルは自国民を守ることに集中し続けるだろう。私が『釣りあう』ことの定義づけをすることはない」と語った。

22:00(テルアビブ16:00)

イスラエル軍参謀総長、「ガザは同じ姿ではないだろう」

 イスラエル軍のハレビ参謀総長は12日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスから越境攻撃を受けて以来、初めて会見した。今後の作戦について、「戦争の代償は重く、困難なものになるが、我々がここで立ち止まることはない。ガザは(戦争が)終わったとき、同じ姿ではないだろう」と述べた。

 ハレビ氏はガザとの境界近くで会見。ハマスに今回の攻撃を許したことを「失敗」と認めた上で、「今は戦争の時だ」とし、責任の追及のための調査よりも、ハマス掃討を優先する必要があることを強調した。

 今回の越境攻撃で、ハマスはイスラエル側で民間人や兵士を人質として拉致している。ハレビ氏は人質の奪還のために「すべてのことをする」と述べた。

20:30(テルアビブ14:30)

ブリンケン国務長官「民間人の被害避けることが重要」

 米国のブリンケン国務長官が12日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスとの戦闘が続くイスラエルを訪れ、同国のネタニヤフ首相と会談した。会談後の記者会見で、ブリンケン氏は米国のイスラエルへの支持を表明した上で、「民間人への被害を避けるため、あらゆる方法を取ることがとても重要だ」と述べた。

 またハマスについて、「パレスチナ人の願望を代表している存在ではない」とした。

20:07(ダマスカス14:07)

ダマスカスの空港にイスラエル軍の爆撃 地元メディア

 中東シリアの首都ダマスカス…

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