パレスチナ情勢 10月15日~18日(日本時間)にあったこと

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 イスラエルが地上侵攻に踏み切る方針をみせているパレスチナ自治区ガザ地区をめぐり、バイデン大統領がイスラエルを18日に訪問します。イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区では、すでに爆撃や物資の搬入停止で人道危機が深刻化しており、イスラエルへの連帯を示すことになるバイデン氏は、民間人に支援を届ける取り組みについても協議する見通しです。

 イスラエル軍は1400人が死亡した7日のハマスによる越境攻撃の後、ガザ地区への爆撃を続けています。ガザ保健省によると、17日現在で死者は3千人、負傷者は1万2500人に達しました。

【動画】ガザの病院が攻撃された瞬間=ロイター

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■10月18日(日本時間)■■■

23:47(ワシントン10:47)

病院の爆発「イスラエルに責任なし」米国が評価

 米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は18日、パレスチナ自治区ガザ地区で17日に起きた病院の爆発について、「イスラエルに責任はない」とする米国政府の評価をX(旧ツイッター)に投稿した。

 米国政府は情報収集を続けているが、空から撮影された画像や通信傍受、公開情報などを分析した結果、現在の評価として、イスラエルの責任ではないと判断しているという。

 バイデン大統領も訪問先のイスラエルで、米国防総省から示されたデータから判断し、「これまでの情報によれば、ガザのテロ集団によるロケット弾の誤射の結果のようだ」などと話していた。

23:20(テルアビブ17:20)

「イスラエルが人道物資の搬入に合意」 バイデン米大統領

 バイデン米大統領は18日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イスラエルがエジプトからパレスチナ自治区ガザ地区に人道支援物資を搬入することに合意したと明らかにした。

 訪問先のテルアビブで記者団に語った。「トラックがなるべく早く国境を越えるよう、エジプトや国連などと協力している」と述べた。ハマスが物資を盗めば、援助を停止するとも強調した。

 またイスラエル首相府は18日、ガザ地区への人道支援について、エジプトからの援助は阻止しないと発表した。物資が「ハマスの手に渡らない限り」は認めると条件をつけた。

 首相府は声明で「バイデン大統領の要求を踏まえ、ガザ地区南部の住民のための食料、水、医薬品に限りエジプトからの人道的物資を阻止することはしない」と述べた。一方、イスラエルからの人道支援については「人質が返還されない限りいかなる人道支援も許されることはない」と付け加えた。

23:17(テルアビブ17:17)

「ガザなどへ人道支援1億ドル」 バイデン米大統領

 イスラエルを訪問中の米国のバイデン大統領は18日、パレスチナ自治区ガザ地区などへの人道支援として、1億ドル(約150億円)を拠出すると明らかにした。ロイター通信が報じた。また、バイデン氏は「パレスチナ人の多数派は(イスラム組織)ハマスではない。パレスチナの人々もとても苦しんでいる」と述べたという。

21:30(ワシントン08:30)

米、ハマス幹部らに金融制裁

 パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃をうけ、米財務省は18日、ハマスの資金源に関わるハマス幹部や協力者ら10の個人・事業者に金融制裁を科すと発表した。米国や米国人の管理下にある対象者の金融資産を凍結するなどして、ハマスの活動を支える資金源を断ち切るとしている。

 制裁対象になったのは、ガザ、スーダン、トルコ、アルジェリア、カタールで活動するハマス幹部や工作員と、ガザを拠点にする暗号資産(仮想通貨)取引所およびその運営者。

 同省によると、ハマスは支援を受けるイランからの収入に加え、中東を中心に展開する資産規模数億ドルの投資ビジネスから巨額の収益を生み出している。

 制裁対象者には、ハマスの投資会社の管理者や、収益源となっている会社の取締役らも含まれる。合法的な事業を展開しつつ、収益がハマスに流れていることを隠しているという。資金の送金には暗号資産が使われていることから、ガザに拠点を置く暗号資産取引所とその運営者も制裁対象になった。

21:11(ロンドン13:11)

英首相報道官「少なくとも英国人7人死亡」

 英首相報道官は18日、イスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃して以降、少なくとも7人の英国人が死亡、9人が行方不明になっていることを明らかにした。ロイター通信が報じた。報道官は「悲しいことに7人の英国人が死亡し、9人が行方不明であることを確認した。その中には亡くなっている恐れがある者もいる」と報道陣に述べたという。

21:01(ガザ15:01)

病院爆発の死者は471人 ガザ保健省発表

 ガザ地区の病院で17日夜に起きた爆発について、ガザの保健省は18日、471人が死亡したと発表した。28人が重体で、ほかに負傷者が314人に上った。

 イスラエル軍がガザ地区に報復爆撃を始めた7日以降、ガザ地区の死者は3478人、負傷者は1万2千人を超えた。死者の7割は子供や、女性、高齢者だという。

20:05(ロンドン12:05)

英首相「結論急ぐべきではない」

 パレスチナ自治区ガザ地区の病院であった爆発について、英国のスナク首相は18日、英議会で「すべての事実がそろう前に結論を急ぐべきではない」と語った。同盟国と協力し、真相解明のために急いで分析を進めているという。

 スナク氏は18日午前、国家安全保障担当首相補佐官や合同情報委員会の委員長と面会。ただ、議会では、「私たちがここで口にする言葉は、議場を越えて影響を及ぼすことになる。現時点ではこれ以上のことを言う立場にない」と述べた。

20:05(テルアビブ14:05)

イスラエル首相「民間人の犠牲避けるよう努力」

 イスラエルのネタニヤフ首相は18日、同国を訪問中の米国のバイデン大統領に対して、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘で「イスラエルは民間人の犠牲を避けるよう努力する」と述べた。ロイター通信が報じた。

16:45(カイロ10:45)

ドイツ首相、エジプト大統領と会談

 ドイツのショルツ首相は18日、訪問先のエジプトでシーシ大統領と会談した。ショルツ氏は会談後の記者会見で「エジプトとドイツは、中東における大規模な紛争を防ぐという目標において一致している」と強調。イスラエルと対立するイスラム教シーア派組織ヒズボラやイランに対し、今回のイスラエルをめぐる軍事衝突に介入しないように求めた。

 ショルツ氏は会見で、レバノンからイスラエル側への攻撃を続けているヒズボラや、イランを名指しし、「重大な過ちを犯すことになる」と警告した。

 会談では、ハマスが実効支配するパレスチナ自治区のガザ地区への人道支援について協議した。ショルツ氏は「現地の人々は水、食料、医薬品を必要としている。現時点で私たちがこうした人々を放っておくことはないと断言する」と述べ、支援姿勢を強調した。

 また、ガザ地区の病院で起きた爆発について「何が起きたのか正確には分かっていない。この事件を徹底的に調査することが重要だ」と語った。

16:00(ブリュッセル19:00)

フォンデアライエン氏「反ユダヤ主義的な事件を許容してはけない」

 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は18日、欧州議会の演説で、「反ユダヤ主義的な事件を許容してはいけない」と訴えた。フォンデアライエン氏はイスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突について触れ、「欧州を含め、反ユダヤ主義的な事件が増加している。決して受け入れられないもので、暗い過去が戻らないようにするのは、私たち共通の責任だ」と述べた。

 その上で、「(ユダヤ教への)ヘイトクライムヘイトスピーチをEUの犯罪リストに追加し、EU全体で制裁すべきであると提案してきたが、依然として一部の加盟国によって阻止されている。今こそ行動を起こし、前進する時だ」と訴えた。

16:54(テルアビブ10:54)

バイデン大統領がイスラエルに到着

 米国のバイデン大統領が18…

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