パレスチナ情勢 10月19日~21日(日本時間)にあったこと

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 イスラエルによる空爆と完全封鎖によって人道危機が深刻なパレスチナ自治区のガザ地区への支援物資の搬入が、当初予定の20日から21日にずれ込むとの見方が出ています。イスラエル軍は、イスラム組織ハマス掃討のため、ガザ地区への空爆を継続し、地上侵攻の構えを強めています。

 支援物資の搬入は、バイデン米大統領の仲介で18日に、検問所を管理するエジプトとガザ地区全体を封鎖するイスラエルが、トラック20台分の搬入で合意しました。ガザ地区とエジプトとの境界にあるラファ検問所から行われる予定です。

【動画】ガザの病院に空爆=ロイター

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■10月21日(日本時間)■■■

22:17(ワシントン21日9:17)

米国務長官「人道支援のため、ラファ検問所の開放維持を」

 ブリンケン米国務長官は21日、パレスチナ自治区ガザ地区に人道支援物資が搬入されたことを歓迎する声明を出した。

 声明は、支援物資搬入に向けたエジプト、イスラエル、国連の関係者への謝意を表明。支援物資の継続的な搬入を可能にするため、「ラファ検問所の開放を今後も維持するように関係者に求めていく」などとした。

22:00(14:00)

ロンドン中心部でパレスチナ連帯デモ 最大10万人参加

 ロンドン中心部で21日昼、パレスチナ人への連帯を示すデモが開かれた。14日に続いて2度目となる大規模なデモで、ロンドン警視庁によると、午後2時までに推計で最大10万人が参加したという。

 デモではパレスチナの旗のほか、「パレスチナを解放せよ」「パレスチナに自由を」といったメッセージを掲げる参加者が目立った。また、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区の「完全封鎖」を批判する声も多く聞かれた。

 14日のデモでは15人が逮捕されており、ロンドン警視庁は21日、1500人態勢で警戒に当たった。

21:05(ニコシア15:05)

キプロスのイスラエル大使館で爆発、シリア人4人逮捕

 キプロスの首都ニコシアにある在キプロスのイスラエル大使館付近で21日未明、小規模な爆発が発生した。けが人はいなかった。複数の欧米メディアが報じた。キプロス当局は同日、17~21歳の容疑者4人を逮捕した。AP通信によると、いずれもシリア人だという。

 AFP通信によると、同日午前1時半過ぎ、イスラエル大使館から約30~40メートルの地点で、筒の中に火薬を入れた「パイプ爆弾」が爆発。建物が一部損傷した。爆弾には花火用の火薬が用いられていた。容疑者のひとりの車からは、ナイフ2本とハンマーが見つかったという。

 キプロスには大規模なユダヤ人コミュニティーがあるといい、イスラエルに対するハマスの大規模攻撃以降は当局がイスラエル大使館周辺の警備を強化していた。

20:40(カイロ14:40)

EU首脳、イスラエル軍の完全包囲「国際法違反」と強調

 パレスチナ自治区ガザ地区の情勢悪化の緩和策を協議する「カイロ平和サミット」に出席した欧州連合(EU)のミシェル首脳会議常任議長は21日、EUの目的について定めたEU条約第3条を読み上げ、「ダブルスタンダードはあり得ない。EU内で繰り返し表明してきた団結というメッセージを共有したい」と述べた。

 13日にイスラエルを電撃訪問したフォンデアライエン欧州委員長が、ガザ地区を完全包囲したイスラエル軍について「国際法違反」と明言することを避けるなど、EU内の足並みは乱れている。

 ミシェル氏は改めて、「(イスラエル軍の)完全包囲は国際法に違反する。私たちは、最も弱い立場にある人々を支援し続けるつもりだ」と述べ、ガザ地区の住民への人道支援額を当初の3倍の7500万ユーロ(約120億円)に増額することを強調した。

20:20(カイロ14:20)

ガザ地区の死者、4385人に 発表

 パレスチナ自治区ガザ地区の保健省は21日、イスラエルとの軍事衝突が始まって以降のガザ側の死者が計4385人に上ったと明らかにした。ロイター通信が報じた。負傷者は計1万3651人に上ったという。

18:56(カイロ12:56)

「我々は自分たちの土地を離れない」 パレスチナ自治政府議長

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は21日、エジプトで開催された「カイロ平和サミット」で、「我々は自分たちの地を離れることはない」と述べた。ロイター通信が報じた。

 サミットは、パレスチナ自治区ガザ地区の緊張緩和や人道支援を話し合う目的で開催され、各国の首脳らが集まった。イスラエル軍はガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスを一掃するとして地上侵攻の準備を進めているとされ、ガザ地区北部の住人らを対象に南部への移動を求めてきた経緯がある。

18:42(エルサレム12:42)

援助物資はガザ南部のみに配られ、燃料は含まず イスラエル軍

 パレスチナ自治区のガザ地区に南部ラファ検問所経由で搬入された人道支援物資について、イスラエル軍は21日、物資のなかに燃料は含まれていないと明らかにした。ロイター通信が報じた。

 ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが7日に実施した大規模攻撃以降、イスラエル側の「完全封鎖」の影響で、ガザ内部では深刻な燃料不足が起きていると指摘される。

 21日のテレビ会見でイスラエル軍の広報担当者は、今回搬入された物資がガザ南部だけで配られることも明かした。イスラエル軍が13日以降に出したガザ北部からの退避を求める通告を受けて、ガザ南部には多数の住民や外国人らが身を寄せている。

 また、ハマスが7日以降に拘束している人質については、計210人に上ることも明かした。

17:38(ローマ10:38)

人道支援、トラック20台「不十分」 WFP事務局長

 世界食糧計画(WFP)のマケイン事務局長は、ガザ地区とエジプトとの境界にあるラファ検問所を通じての人道支援について「支援トラック20台では不十分」と述べた。カタールの衛星テレビアルジャジーラが21日、報じた。

 報道によると、マケイン氏は「ガザの状況は悲惨で、食料だけでなく水も電気も燃料もない」とした上で、支援が安全かつ持続的に住民に届く必要があると強調した。

16:21(ラファ10:21)

ラファ検問所が開通 ガザとエジプトの境界、国連の車両通過

 パレスチナ自治区ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所が21日午前10時20分ごろ(日本時間午後4時20分ごろ)、開通した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの中継映像からは、「UN」(国連)と書かれた車両などが検問所を通る様子が確認できた。

 ラファ検問所をめぐっては、バイデン米大統領の仲介で18日に検問所を管理するエジプトとガザ地区全体を封鎖するイスラエルが、トラック20台分の搬入で合意した。一方、当初は20日の搬入予定がずれ込んでいた。

14:49(エルサレム08:49)

ラファ検問所、「現地時間午前10時にも開く」 在イスラエル米大使館

 在イスラエル米国大使館は2…

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