パレスチナ情勢 11月1~3日(日本時間)にあったこと

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 パレスチナ自治区ガザ地区では1日、北部のジャバリヤ難民キャンプが2日連続でイスラエルの空爆を受けました。ロイター通信によると、イスラム組織ハマス側は、パレスチナ人の死者が少なくとも195人、行方不明が120人、負傷者が777人に上ったと伝えています。一方、南部のラファ検問所からは初めて退避が認められ、邦人を含む約400人がエジプト側に出ました。

 ガザ地区から退避を希望していた邦人10人とその家族のパレスチナ人8人も、現地時間の1日、陸路でエジプトへ移動しました。防衛省によると、イスラエルから邦人や韓国人など計46人を乗せた自衛隊機も、2日、イスラエルから日本に向けて移動しているということです。

【動画】ガザの病院に「直ちに退避」 イスラエルが警告=ロイター

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■11月3日(日本時間)■■■

22:05(ベイルート15:05)

「あらゆる可能性の準備」 ヒズボラ指導者

 レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は3日、対イスラエルの戦闘拡大について、「あらゆる可能性の準備をしている」と述べた。中東の衛星テレビアルジャジーラやロイター通信などが伝えた。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの交戦が続く中、ハマスの攻撃を称賛し、連帯を呼びかけた。

 10月7日のハマスの奇襲攻撃の後、ナスララ師が公の場で演説するのは初めて。ハマスの攻撃について、「偉大で大規模な作戦は純粋にパレスチナの人たちの計画と実行によるものだ」と述べ、ヒズボラなどは加わっていないことを示唆した。

 ヒズボラは、イスラエル北部の国境地帯でイスラエル軍との戦闘を続け、日に日にエスカレートしている。ナスララ師は、「イスラエル軍を国境地帯にとどまらせるために、攻撃を強めている」と述べ、イスラエル軍をガザだけでなく多方面での戦闘に引き込んでいると強調した。

 イスラエル軍によるガザへの地上作戦が強まるなか、イスラエルや米国はイランに近いヒズボラなどの武装勢力の動きに神経をとがらせている。米国は紛争拡大の抑止力を高めるため、空母打撃群を中東に派遣するなどしてきた。ナスララ師はこれについて、「我々をおびえさせるものではない」と牽制(けんせい)した。

22:30(テルアビブ15:30)

米国務長官、イスラエル側に戦闘中断要求 会見で明かす

 ブリンケン米国務長官が3日、イスラエルを訪問した。イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への地上作戦が激化する中、ネタニヤフ首相らとの会談では民間人の犠牲を最小限に抑える方法を話し合った。人道支援の拡大や民間人の保護を実現するため、戦闘の「人道的な中断」も要請し、具体的な時期や場所などを協議したという。

 ブリンケン氏は会談後にテルアビブで記者会見し、「(イスラム組織)ハマスのテロリストを見つけてとどめを刺すという目的を達成しつつ、民間人の犠牲を最小限に抑える方法を、最高の友人だけができる助言として伝えた」と述べた。具体的な手順も話し合ったという。また、支援物資の搬入を、ハマスによる横流しを防ぐ措置をとりながら増やす手段もイスラエル側に提案し、「燃料をガザ南部の病院に届ける手立てを特定した」とも語った。

 戦闘の人道的な中断については「民間人の安全が向上し、より効果的で持続的な人道支援が可能になる」と述べたが、イスラエル側に慎重論が根強いことも示唆した。「準備と調整に時間がかかることは認識している。人道支援の流れを最大化するために中断期間をどう活用するか、人質の解放とどう結びつけるか、ハマスが中断で得をしないようにするにはどうすればいいかなど、多くの正当な疑問が提起された」と語り、「これらは緊急に取り組むべき問題で、解決できると信じている」と強調した。

20:56(北京19:56)

中国の習氏とドイツのショルツ首相が意見交換

 中国外務省は3日、習近平(…

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