(2日、プロ野球日本シリーズ第5戦 阪神タイガース6―2オリックス・バファローズ)
割れんばかりの大歓声が、阪神の選手を後押しした。
七回までは相手先発の田嶋大樹を捉えられず、散発4安打。それがオリックスが継投に入った八回、一気にひっくり返した。
先頭の8番木浪聖也がしぶとく二塁へ内野安打。懸命なダッシュで、オリックスの名手・安達了一の悪送球を誘い、一気に二塁へ。代打・糸原健斗は左前に落とす技ありの安打でつなぐ。ここで得点圏打率セ・リーグトップの近本光司が右前適時打を放ち、1点差に迫った。
中野拓夢が犠打で送り、1死二、三塁。ここでオリックスは2番手の山崎颯一郎から宇田川優希に継投した。最高の場面で、森下翔太に打席が回ってきた。
カウント2―2から7球目、宇田川の低めの152キロに、めいっぱいバットを出した。打球は左中間へ抜ける三塁打。走者2人が生還し、逆転。森下は三塁ベース上で手をたたき、喜びを爆発させた。
森下は七回の右翼守備で、二塁手・中野の後逸した打球のカバーにもたつき(記録は失策)、2点目を献上した。それを取り返す一打。「もうここまでくれば、調子とかない。もうやることを(しっかり)やるっていう感じ」と語り、大舞台でも物おじしない。
今季、レギュラーシーズンの逆転勝ちはリーグ1位の32度。18年ぶりのリーグ優勝を引き寄せた、終盤のしぶとさが、この大一番でも出た。甲子園で38年ぶりの日本一へ王手をかけた。いざ、京セラに乗り込む。(大坂尚子)
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岡田監督(神) 「最後の甲子園の試合。七回までふがいなかったが、皆で点を取れた。(森下が)最後の最後、3番らしい当たりだった」
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- 大坂尚子
- スポーツ部|高校野球担当キャップ
- 専門・関心分野
- 野球、アメフト、フィギュアスケート