「自分のことはいい」 好投のオリ田嶋、日本シリーズ初勝利は幻に

日本シリーズオリックス・バファローズ

堀川貴弘
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(2日、プロ野球日本シリーズ第5戦 阪神タイガース6―2オリックス・バファローズ)

 日本シリーズのマウンドは3年連続3度目。オリックスの先発田嶋は、シリーズで自身最長の七回まで投げ、阪神打線を無失点に抑えた。だが、報われなかった。

 「リリーフ陣にいい投手がそろっているので後ろを信じて、いけるところまで頑張ろうと思います」。前日にそう語っていた。皮肉にもその救援陣が打ち込まれ、シリーズ初勝利は夢と消えた。

 一回にいきなりピンチを迎える。先頭の近本に右前安打を浴び、続く中野のバントを自分が捕り損ねた。無死一、二塁に。このシリーズでは、投手のバント処理のミスが失点につながっている。いやな雰囲気が漂う中、踏ん張った。

 森下を二ゴロに打ち取り、1死一、三塁。前日にサヨナラ安打を放った4番大山を落ちる変化球で空振り三振に仕留めた。

 捕手の若月が二盗を狙った走者を刺し、併殺プレーに。この局面を無失点で切り抜けられたことで波に乗った。中盤からは直球も走り、阪神打線を手玉にとった。

 「とにかく後悔だけはしないように、思い切って腕を振った。ただ、自分のことはいい。チームが負けたことが悔しい」。27歳の左腕は静かに振り返った。(堀川貴弘)

 中嶋監督(オ) 「もう、追い込まれたわけですから。開き直りではないですが、京セラに戻って二つ勝たなければならない。何とか頑張りたいですね」

 ゴンザレス(オ) 四回に左中間ソロで先取点。「少し甘く入ってきたストレートをしっかりと捉えることができたし、いいスイングができた」

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