肩書は「社長兼Jリーガー」 元エリートの夢、きっかけくれたポテト

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照屋健
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 自分の名前を冠した会社を起こしたのは昨年7月のことだった。

 「株式会社 準弥」

 社会貢献やスポーツの普及を目指す会社を、町田ゼルビアのDF鈴木準弥(27)が立ち上げた。

 「Jリーガーの自分には何ができるんだろうってずっと考えていた。地域とか、子どもたちのために、何かできないのかな、と」

 高校の指揮官から転じた黒田剛監督が率いる話題のチームの貴重な戦力だ。豊富な運動量と正確なキックでJ1昇格に貢献。そのかたわら、社長になって「二刀流」の道を歩んでいる。

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 練習を終えると、ときにジャケットを羽織り、地域の企業を回る。「サッカー選手だから」と応援してもらえることもあるが、仕事の交渉は簡単にはいかない。

 今、目指すのは犬が伸び伸びと走ることができるドッグランの建設。動物愛護団体と意見交換をしたり、企業から支援を募ったり。ビジネスメールにはまだ慣れない。

 「メールの件名をどう書けばいいかも分からなかった」と苦笑いしつつ、アポをとり、オンライン会議にも臨む。

 「サッカー選手でいられる時間は短い。発信力がある現役のうちに、できることをやりたかった」

 なぜ、選手と社長の二刀流なのか。

 なぜ、ドッグランなのか。

 そこには、自身のキャリアが…

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この記事を書いた人
照屋健
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専門・関心分野
サッカー、五輪
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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2023年11月12日9時27分 投稿
    【視点】

    Jリーグでは社会貢献が重要なテーマとなっている。プロ野球と比べ、全国津々浦々にクラブがあるので、地元社会への密着度はより高い。選手が直接、地域活動に参加することも当たり前となっている。 しかし、今回の記事の鈴木選手のように、現役時代に自ら起

    …続きを読む
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    中川文如
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長)
    2023年11月12日8時40分 投稿
    【視点】

    十人十色。いろんなJリーガー、いろんなアスリートがいます。青森山田高からJ2に転じて1年目で見事J1昇格を果たした黒田剛監督率いる町田ゼルビアには、こんな選手がいるんです。 「サッカー選手でいられる時間は短い。発信力がある現役のうちに、で

    …続きを読む
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