死球から崩れたオリックス宮城 「大事な試合で…ただただ悔しい」

オリックス・バファローズ日本シリーズ

畑中謙一郎
[PR]

(5日、プロ野球日本シリーズ第7戦 阪神タイガース7―1オリックス・バファローズ)

 顔面蒼白(そうはく)だった。オリックスの宮城は静かにマウンドを降りた。五回途中でのノックアウト。

 第2戦で勝ち投手となった左腕に、油断はなかったはずだ。「いいイメージで臨めたら理想だが、相手にも流れがある。別なチームだと思ってやりたい」。どこからでも点を取ってくる阪神打線に警戒モードを最大限に強めた。

 そして、自身に言い聞かせた。「阪神打線は四球から点を取ってくるイメージがある。少しでも四球はなくしていきたい」と。三回までは無四球。1安打無失点、4奪三振と危なげない内容だった。

 しかし、落とし穴は四回だ。1死一塁、阪神の4番大山を2球で追い込んだものの、手元が狂った3球目が死球に。一塁に進んだ大山に帽子を取ってお辞儀した。その直後、次打者のノイジーに不覚を取った。ひざ元に投じたチェンジアップをすくい上げられ、痛恨の3ラン。四球ではなく、死球から崩れたのは皮肉というしかない。

 「大事な試合で役割を果たせなかった。ただただ悔しい」。ベンチに戻った宮城は唇をかんだ。

 前日はエース山本が138球の力投で完投勝利。先輩がお膳立てしてくれた第7戦のマウンドは、あまりにほろ苦かった。(畑中謙一郎)

【特集】日本シリーズ2023のページ

第1戦から第7戦までの試合詳報からシリーズ前の話題まで、まとめて読めます

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【秋トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら