今年9月、阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝が間近に迫っていた。
大阪市の男性会社員(27)は、4歳から甲子園に通う「虎ファン」。試合結果を気にしながら、仕事に励む日々が続いていた。
マジック15まで詰め寄った9月上旬、奈良市で2日間の仕事が入った。繁忙期に入り始め、片道40分の時間すら惜しいと、日帰りせずに現地に泊まることにした。
午前9時に取引先に着き、午後10時まで猛烈に働き、ようやくホテルにたどり着いた。コンビニで買ったラーメンを食べ、焼酎ハイボールのロング缶をプシュッと開け、ベッドに転がりこんだ。
午前2時ごろ、トイレに行きたくなり目が覚めた。ふと鏡を見ると、右胸の下から背中まで、赤い湿疹が数センチの幅で帯状に広がっていた。
「ダニにでもかまれたか」。痛みもかゆみもなかったので、そのまま寝た。
翌日も奈良で仕事をして、午後10時すぎに大阪の自宅に帰った。スマホで阪神の試合結果を見ると、この日も勝っていた。しばらくスマホをいじりながら息抜きをしていると、体の右側にぴりぴりとした痛みが走った。動けないほどではないが、右手を動かすと痛みが出た。
次の日になると、仕事中も痛みが出始めた。全身を電気が走るようなぴりぴりとした痛みが貫き、寝返りを打つ時には特に痛くて仕方がなかった。
スマホで調べると、聞き慣れない病名がヒットした。
「え、まさか……」
終電逃してタクシー、コンビニ弁当の日々
男性は2017年春に就職し…
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帯状疱疹は、体内に潜伏している水ぼうそうウイルスが原因で起こり、ストレスや過労など免疫が低下したときに発症する病気です。80歳までに3人に1人が発症すると言われますが、近年、若い世代の発症が増えているそうです。 経験者によるとすさまじい痛み
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