第8回東南アジアの国、子どもの選択肢に 稲垣早希さんが移住して見る景色

有料記事私からのメッセージ 日本と東南アジアの半世紀

聞き手・大部俊哉
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 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のアスカのものまねで知られる、お笑い芸人の桜 稲垣早希さん(39)は今年3月、吉本興業の「アジア住みます芸人」としてタイに移住しました。YouTuberの夫と首都バンコクで3歳の息子の子育てをしながら、テレビやYouTubeなどで活躍しています。東南アジアで暮らし、見えたものとは――?

 さくら いながきさき 1983年生まれ、神戸市出身のお笑い芸人。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のアスカのものまねでブレークする。2016年にYouTubeチャンネルを開設。23年に家族でタイに移住し、「タイ住みます芸人」として活動中。

 ――タイでの暮らしはどうですか。

 タイには「ジャパンエキスポタイランド」など日本関連のイベントで、コスプレのお仕事で数回来たことがありました。でもやっぱり旅行で来るのと住むのは全然違いますね。まずは生活の基盤をつくることが第一で、観光スポットにはまだあまり行けていません。

 ――住んでみて、印象は変わりましたか。

 初めてタイに旅行で来たのは小学5年のときです。その頃の印象と比べると、ここ30年ぐらいで違う国かのように街が発展していてびっくりしました。

 日本の友達から「ゾウが道路を歩いているの」みたいな質問をされることがあるんですが、バンコクはまったくそういうイメージとはかけ離れていますね。ゾウは遠くまで見に行かないと会えません(笑)。

日本と同じスピードでアニメが流行

 ――日本での生活と比べてどうですか。

 家の造りが少し違うとか、トイレットペーパーを流してはいけないとか、細かい違いはあるんですけど、ほぼ日本と同じような水準の生活ができています。電子決済が国民に広く浸透している点など、日本より進んでいると感じる部分もあります。

 ――YouTubeで様々な場所にロケに行かれています。印象に残った経験はありますか。

 まだ初めて行く場所ばかりでどこも新鮮ですが、観光地では線路脇に野菜や果物などの商店が並ぶバンコク近郊の「メークロン鉄道市場」が印象深いです。治安が悪い場所はもちろんありますが、バンコク周辺は全体的に治安はいい方だと思います。

インタビュー後半では、海外での子育てを決意した理由や、タイで子育てをしてみて感じたことなどを語ってくれました。

 ――アニメに造詣(ぞうけい)が深い稲垣さんの目から、タイのカルチャーシーンはどう見えていますか。

 日本のアニメがこっちでもま…

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この記事を書いた人
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題