旧ジャニーズ事務所（SMILE（スマイル）―UP（アップ）.）の創業者、故ジャニー喜多川氏からの性被害を告白していたダンサーで俳優の橋田康さん（38）が17日、朝日新聞の取材に、被害補償について合意したことを明らかにした。補償金の受け取りも完了したが、具体的な内容は非公開という。

　橋田さんは「今後、自分の活動に規制がかかったり発信することができなくなったりすることがないよう一つ一つ確認して合意した」。金額で争うつもりはなかったとして、スマイル社が提示した額で12月上旬に合意書にサインしたという。補償の手続きを進めているスマイル社に対しては「流れ作業でなく、ほかの被害者たちに対しても丁寧に対応してほしい」と語った。

　自身にとって「ひとつの区切り」としたものの「被害については自分の中では何も変わっていない。今回の問題が社会の学びとして残る動きになってほしい」。

　また、X（旧ツイッター）で合意について報告したところ、「一生黙ってろ」「お前が壊したんだ」「気持ち悪い」などという誹謗（ひぼう）中傷が寄せられているという。「被害者を守るために誹謗中傷が収まるように動くなどしてほしい」と話した。

　補償状況についてスマイル社は11月30日までに23人への補償金の支払いを完了していることを公表している。（編集委員・大久保真紀）