阪神・伊藤将司を支える横浜高時代の思い出 入れなかった歓喜の輪

有料記事阪神タイガース

大坂尚子
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スポーツ好奇心

 38年ぶりの日本一に輝いたプロ野球・阪神タイガース。10勝(5敗)を挙げ、エース格として貢献したのが伊藤将司投手(27)だ。

 入団以来の3シーズンで計29勝を挙げ、今年は初めて規定投球回にも乗った。順風満帆なプロ人生。その裏には、アマチュア時代の悔しい経験があるという。

 伊藤将の原点は横浜高時代にある。

 千葉県出身。松坂大輔をはじめ、そうそうたる投手が輩出した横浜高に憧れ、「ピッチャーでプロを目指したい」と強豪校の門をたたいた。

 「横高ファン」だったという父も、後押ししてくれた。

 当初は渡辺元智監督(当時)に「3番手投手」と言われたが、厳しい練習に耐えた。

 2年春からエースになり、同年夏の全国高校野球選手権大会に出場。2回戦で毎回の14三振を奪って完投勝ちし、鮮烈な甲子園デビューを果たした。

 3年春の選抜大会にも出場したが、1回戦で八戸学院光星に敗れた。その後もフォームが安定せず、制球に苦しんだ。

 「色々とかみ合わなくて、苦しかった時期」と振り返る。最後の夏は神奈川大会準決勝で終わった。

 「自分の投球レベルでは(プロで)通用しない」

 ドラフト会議で指名されるためにはプロ志望届の提出が必要になる。渡辺監督らとも相談し、提出を見送った。

 その年のドラフト会議は、同…

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この記事を書いた人
大坂尚子
スポーツ部|高校野球担当キャップ
専門・関心分野
野球、アメフト、フィギュアスケート