移民を憂い始めた移民の街 支援の動き鈍く、トランプ氏なお過激に

有料記事混迷を歩く アメリカ大統領選2024

ニューヨーク=遠田寛生 中井大助
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 ニューヨークのクイーンズ地区に、「休業中」のホテルがある。

 休業中といっても、建物の前には多数のオートバイが止められており、多くの人々が出入りしたり、話し込んだりしている。JFK空港近くの別のホテルを訪ねると、入り口に警備員が立ち、中の様子をうかがうことはできない。出てきた男性に話を聞こうとすると、スペイン語で「環境はとても悪い」とこぼした。

 暮らしているのは、中南米などの出身国からビザを持たずにメキシコ経由で米国に入り、亡命を申請するため当面は滞在が認められた移民だ。ニューヨークには昨年からこうした移民が押し寄せ、今秋までで12万人を超えた。ニューヨーク市によると、休業中のホテルなどを活用して市内に設けた「保護施設」は、昨年以来、200カ所近くに上る。

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米国のリーダーを選ぶ4年に1度の大統領選が、2024年11月に迫っています。国内外で難しい課題に直面し、混迷の淵でもがいているようにもみえる米国。記者が現場を歩いて大国の実像をとらえ、随時、報告します。

 移民の急増は、市民感情にも影響を与えている。空港近くの「市民協会」会長を務めるアラセリア・クックさん(65)は、たびたびホテルに足を運び「責任ある人と話したい」と求めてきた。

中の様子はうかがい知れず「移民支援優先でいいのか」

 ホテルが収容施設として使わ…

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この記事を書いた人
中井大助
ニューヨーク支局長
専門・関心分野
アメリカの社会、政治、文化
アメリカ大統領選挙2024

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