「無期転換逃れ」問う パタゴニア元パート、雇い止め撤回求め提訴へ

編集委員・堀篭俊材
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 米アウトドア用品メーカーの「パタゴニア」日本支社で働いていたパート社員(52)が、昨年末で雇い止めになったのは不当だとして、地位確認を求める訴訟を2月中にも札幌地裁に起こす方針を固めたことが、関係者への取材でわかった。パート社員は労組を結成して、同支社が設けている雇用期間5年未満の制限撤廃を求めており、自分が年数制限を迎える直前に雇い止めになっていた。

 「雇用の安定」のため労働契約法で非正社員に無期転換権が認められているのにもかかわらず、企業側が雇用期間の上限を決めていることの是非も裁判では争われる見通しだ。

 提訴するのは、札幌地域労組パタゴニアユニオン代表の藤川瑞穂さん。2019年4月にパートとして入社し、札幌市内の店舗で働いていた藤川さんは今春、雇用期間制限の5年を迎える予定だったが、その直前の昨年末に雇い止めになった。

 パタゴニア日本支社は「特にコメントはない」としている。

 非正社員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、無期雇用に転換できる「5年ルール」が認められているが、同支社はパート社員の雇用期間に最大5年未満の制限を設定。藤川さんが中心となり2022年7月に労組が結成され、「無期転換逃れだ」として年数制限の撤回を求めてきた。

 藤川さんは「『もう決まったことだ』とあきらめずに、『無期転換逃れ』の撤回を求め声を上げ続けていきたい」と話している。(編集委員・堀篭俊材)

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