米の報復招いたイランの誤算 「戦争始めるつもりない」本音と裏腹に

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テヘラン=佐藤達弥
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 ヨルダンで1月末に米兵3人が死亡したドローン無人機)による攻撃に対し、親イラン勢力の関与を疑う米国が2日、イラクシリアにあるイラン関連施設への空爆に踏み切った。イラン側はどう反応するのか。パレスチナ自治区ガザ地区で軍事衝突が続くなか、米イランの間でもさらに緊張が高まる可能性はあるのか。

 「昨夜の攻撃は米政府の冒険的な行為であり、戦略的な誤りだ。地域の緊張を激化させる以外に何の結果にもつながらない」。イラン外務省のカナニ報道官は3日、声明で米国を非難したが、イランからの報復攻撃の可能性には触れなかった。

 米国は、イランの革命防衛隊で国外での作戦を担う「コッズ部隊」が中東各地の親イラン組織に資金や武器を提供してきたと主張しており、今回の発表ではイラクやシリアで同部隊などを空爆したとしている。

 一方、イラン政府系のイラン学生通信はこの日、国内の情報筋の話として、両国に革命防衛隊の施設や基地はなかったと報じた。

指揮下にはない親イラン組織 緊張激化のリスクは消えず

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この記事を書いた人
佐藤達弥
国際報道部
専門・関心分野
昭和史、ジェンダー、中東・ロシア