ロシアとの戦い、カギを握るドローン 製造担うウクライナの新興企業

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キーウ=宋光祐
【動画】ロシアとの戦力差埋めるカギ握るドローン 製造現場を訪ねた=藤原伸雄撮影
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 ウクライナがロシア軍との戦闘でドローン無人機)の活用を加速させている。ロシアの全面侵攻は3年目に入り、欧米が供給を約束した弾薬の不足が深刻になるなか、ドローンはロシアとの戦力差を埋めるカギを握る。その多くは侵攻後から生産に取り組み始めた民間企業が担う。製造の現場で何が起きているのか。キーウ郊外のスタートアップ企業を訪ねた。

 コンクリートの塀で囲われた敷地には何の看板もない。外側から見ただけではそこが工場であることすら分からない。鉄の扉をくぐった先にあるのは、2階建てのプレハブ。建物の内部では、軍事用の偵察ドローンを専門にするスタートアップ企業「エアロジックス」の社員たちが1日10~12時間にわたってドローンの製造を続けている。

 ウクライナ軍にとって偵察ドローンは、前線で対峙(たいじ)するロシア軍の居場所を正確に把握して、攻撃の効果を最大化するために欠かせない存在だ。エアロジックスの創設者ビターリ・コレスニチェンコさん(35)は「我々のドローンは、戦場で敵を見つけるための『目』だ」と話す。

元々は発電所の技術者だった

 ウクライナのミハイロ・フェ…

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この記事を書いた人
宋光祐
パリ支局長
専門・関心分野
人権、多様性、格差、平和、外交
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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2024年2月28日20時48分 投稿
    【視点】

    確かに、ウクライナ・ドローン産業の急成長は目覚ましい。 ロシア黒海艦隊の艦船に被害を与え、黒海東部への退避を余儀なくさせたのは、ウクライナの水中ドローンだった。また、ウクライナは1000kmを超えるような長射程の空中ドローンも開発し、ロシ

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    小泉悠
    (東大先端科学技術研究センター准教授)
    2024年3月1日8時44分 投稿
    【視点】

    少し前のデータだと、ウクライナ軍は1週間で1万機のドローンを消耗するとのことでした。ドローンは便利だけれども、個々で見ると小さく脆弱なものなので、電子妨害などでどんどん落ちていくのでしょう。 このくらいのスケール感で考えると、エアロジック

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