白いテントのような簡易住宅の中には段ボールベッド二つと、マットレス一つ。少し肌寒いが、「暖房をつけなくても布団の中に入ってしまえば暖かい。車中泊に比べれば、不自由なく快適です」。避難生活を送る石川県輪島市の川端貴子さん(44)はそう話す。
拡大する川端貴子さんの被災後の足跡
元日は、夫の光栄(こうえ)さん(49)と子どもたち、義父母で集まっていたところを地震に襲われた。家の床は傾き、物が散乱。隣家も自宅側に傾くなど危険な状態のため、その夜は家族で車中泊をした。
翌2日に小学校に行ったが、体育館は被災者であふれて中に入れず、グラウンドで車中泊を続けた。その後、長男らは金沢の長女宅に逃れ、義父母は富山県に避難。さらに、中学3年の次男、遼太朗さん(15)が石川県白山市へ集団避難し、家族は散り散りになった。
一方、貴子さんと光栄さん夫妻…