「スンッ」より「はて?」で世界を開け 「虎に翼」作者インタビュー
NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」がすごい。主人公・猪爪(いのつめ)寅子(ともこ)は「はて?」を武器に世の不条理と対峙(たいじ)し、あきらめずに考え続けることで敵対や分断を無効化していく。1世紀前の女性たちの話なのに、現代を生きる視聴者の「わかる!」の輪が広がり続けている。
脚本を担当しているのは「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」「恋せぬふたり」などの作品で知られる吉田恵里香さん。インタビューを申し込んだところ、「書面でなら」と答えてくれました。
ドラマ「虎に翼」
日本初の女性弁護士の一人で戦後に裁判官も務めた三淵嘉子(みぶちよしこ)(1914~84)がモデル。伊藤沙莉(さいり)さん演じる主人公は猪爪寅子(ともこ)、あだ名は「トラコ」。女性が参政権さえ持てなかった時代に法律を学び、男社会の壁にぶつかりながら弁護士となる。戦後は戦争孤児や追いつめられた女性のため、家庭裁判所の設立に奔走する。
――三淵嘉子さんをモデルにした理由を教えてください。
「NHKの方からモデルになりそうな人を数名挙げていただいたのですが、法律を通して、平等や平和の物語を紡げることに魅力を感じました。モデルとなった三淵さんは経歴もさることながら、お人柄が抜群に魅力的でした。彼女に関わった人はみんな三淵さんを好きになってしまったんだろうということがエピソードから感じられます」
今の時代にも広がる「スンッ」
――初回の冒頭、寅子(ともこ)が日本国憲法14条を読んで肩を震わせ、条文の朗読に合わせて、さまざまな立場の女性が、寅子と同じように新聞を読んでいるシーンに胸を打たれました。
「第1話の冒頭は、視聴者と…