自民幹部「私が公明の立場なら」 誤算続く首相、「宿題」への溝深く

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西村圭史 大久保貴裕
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 政治資金規正法の改正をめぐる国会審議が始まった。始まりはしたものの、与野党間のみならず、与党間の隔たりは大きく、自民党四面楚歌(そか)。最終的な着地点はさっぱり見えず、そこにたどり着くための道筋も五里霧中の様相だ。

 首相は22日の参院予算委でも「今国会で改正を必ず実現していきたい」と不退転の決意を重ねて示した。来月23日の会期末までの成立を確実にするため、首相周辺は「改正法案は月内には衆院を通したい」と漏らす。

 参院で自民は過半数の議席を持たない以上、成立には他党、とりわけ連立を組む公明の協力は欠かせない。溝が埋まらない中、妥協点を見いだすには自民側にも譲歩が求められるが、自民案を修正する場合、党内の理解も改めて必要だ。党内には政治とカネの透明化に後ろ向きな空気が広がる一方、依然やまない裏金事件への逆風を危惧して抜本的改正を求める声もある。いざ修正となれば、党内の再調整に時間を要するかもしれない。来月にはイタリアでの主要7カ国(G7)首脳会議に首相が出席する日程を逆算すれば公明との修正合意、党内の再調整、衆院通過は月内に終えたい――というわけだ。

 秋の自民党総裁選での再選や…

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    蔵前勝久
    (朝日新聞政治部次長)
    2024年5月22日21時20分 投稿
    【視点】

    自民の田村憲久政調会長代行の言葉が気になります。「私が公明の立場だったら自民と一緒に(法案を)出したくない。自民の責任でこんなことやって公明まで巻き込んで、一緒に出したら公明が傷つきますから。お気持ちはよくわかる」というものです。与野党間の

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