能登の被災地、100超の事業所が廃業 100年以上続く衣料品店も
能登半島地震の被災地で、事業所の廃業が相次いでいる。石川県の奥能登4市町(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町)の商工会議所や商工会によると、元日の地震の後、少なくとも109の事業所が廃業を決めた。
珠洲市の珠洲商工会議所によると、会員の533事業所のうち4月時点で33事業所が廃業し、15事業所が廃業を予定。他に87事業所が休業している。
袖(そで)良暢(よしのぶ)事務局長は「大きな被害を受けた地区では地盤改良なども必要で、店舗を直せば再開できるという状況ではない。廃業にはそれぞれの事情があるとはいえ、地震がなければ廃業していなかっただろうところもあり、歯がゆい」と話す。
輪島商工会議所は38事業所、能登町商工会は16事業所、穴水町商工会は7事業所の廃業(予定を含む)を把握している。
珠洲市では28日、100年以上にわたり地域の暮らしを支えてきた衣料品店が閉店した。
市中心部の飯田町商店街にあった「衣料ストアーサカシタ」。元日の地震で店舗が倒壊。店主の坂下重雄さん(77)は妻久美子さん(76)と話し合い、「新しい店舗を構えて再スタートを切るには、年齢的にも経済的にも厳しい」と考え、閉店することを決めた。
5月13日からギフト店の一角を借りて仮店舗とし、店から取り出せた商品で閉店セールを開催。28日に最終日を迎え、別れを惜しむ客らが訪れた。(上田真由美)
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