WHO、国際保健規則の改正に合意 新型コロナパンデミックの教訓

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ブリュッセル=森岡みづほ
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 世界保健機関(WHO、本部・スイス・ジュネーブ)は1日の年次総会で、新型コロナウイルスなど、世界的な感染症の流行(パンデミック)の教訓を踏まえた国際保健規則(IHR)の改正に合意し、閉幕した。また、パンデミックの世界的な影響を防ぐための「パンデミック条約」について、遅くとも1年以内に交渉を終えることで合意した。

 IHRの改正には、①「パンデミック緊急事態」を「複数の国家で広く流行して国家の対応能力を超える伝染病であり、国際的に社会・経済的な混乱を引き起こす可能性が高く、国際的な協調行動を必要とするもの」と定義する②医療品のアクセスの強化と資金調達について、連帯と公平性に貢献する③改正した規則を効果的に実施するため、国家間の調整を担う委員会を設立する④国内にもIHRの実施を担当する当局を設置する――ことが盛り込まれた。

 WHOは新型コロナの世界的な流行で対応が遅れたことや、先進国と途上国との間でワクチンや薬の分配について課題があったことを背景に、次のパンデミックに備えた対策を協議してきた。

■「パンデミック条約」の交渉…

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この記事を書いた人
森岡みづほ
ヨーロッパ総局|北欧・NATO・ICC・ICJ・国連担当
専門・関心分野
人の暮らし、歴史、防衛