神奈川大の新駅伝監督、実業団から母校へ戻って驚いた今の学生の力

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小林直子
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 箱根駅伝で2度、全日本大学駅伝で3度の優勝を誇る神奈川大学。今年、卒業生の中野剛さん(51)が新たに駅伝監督に就任した。実業団チームの監督として五輪選手も育てた指導者は、母校の学生たちとどう向き合っているのだろう。

 「最近、言われるんです。変わったよねって」

 6月上旬、記者が大学をたずねると、中野さんはこう言った。

 和歌山県出身。中学2年のとき陸上を始めた。所属していた硬式野球のクラブチームが廃部になり、友人に誘われて学校の陸上部に入った。

 進学した県立和歌山北高校でも陸上部へ。800メートルや1500メートルの選手として活躍したが、全国的には無名で、「(地元の)関西の大学に進学しようと思っていました」。

 そんな中野さんに声をかけたのが当時、神大のコーチだった大後栄治・前駅伝監督(59)だ。中野さんの高校時代の恩師とは日本体育大学の陸上部で先輩後輩の間柄。当時の神大は箱根駅伝から遠ざかっていたものの勢いがあり、「もうすぐ箱根に出るチームだよ」と誘われて進学を決めた。

 箱根には2年のときから3年連続で出場した。4年時には全日本大学駅伝にも初出場。中野さんは2区を走り、チームは初出場ながら6位入賞を果たした。その後の箱根駅伝でも「花の2区」を担当し、シード権獲得に貢献した。

 卒業後は実業団の佐川急便(現SGホールディングス)へ。選手として10年以上、その後に監督として2012年のロンドン五輪男子マラソン代表の山本亮選手らを育てた。

合宿中にかかってきた1本の電話

 「ゆくゆくは(神大の駅伝チ…

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この記事を書いた人
小林直子
横浜総局|記者キャップ
専門・関心分野
子育て・教育、スポーツ