障害者福祉を金もうけの踏み台に?「追い風」受け参入増、足りぬ監視

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三宅梨紗子 野口駿 高絢実
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 福祉サービス会社「恵」(本社・東京)が愛知県内で運営する、五つの障害者グループホーム(GH)の事業者指定を取り消され、全国に展開する約100のGHを運営できなくなることが決まった。なぜ、福祉をめぐる不正は後を絶たないのか。そのしわ寄せは結局、利用者に向かう。

 恵は、なぜ不正までして「金もうけ」に走ってしまったのか。

 経営陣の口癖は「障害者福祉でもうけて株式上場や」。ベテランのスタッフには「上場後は会社を売却し、新ビジネスを始める」と語っていた。

 障害者向けのデイサービスなどを手がけていた恵がGH運営に乗り出したのは2018年。その後、規模を急速に拡大し、現在は愛知を中心に、宮城、福岡など12都県で約100事業所を展開する。信用調査会社によると、23年3月期の売上高は66億6千万円で、3億5千万円だった19年1月期の20倍近くになった。

 急拡大の背景には、国が進め…

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この記事を書いた人
高絢実
くらし報道部|社会保障担当
専門・関心分野
外国人、在日コリアン、社会保障全般