トランプ氏をも追い越すMAGA 党も手に負えぬ現実 NYTコラム
ミッシェル・ゴールドバーグ
米インディアナ州知事選が競り合いになるなどということは、普通の状況下では考えられない。この州では、2020年の大統領選でドナルド・トランプ氏が16ポイント差をつけて勝ったし、共和党の現職、エリック・ホルコム知事は20ポイント以上の差をつけて当選している。州政府の主要なポストは共和党員が占め、州議会は上下両院とも共和党が圧倒的多数を確保している。
しかし、今週末(6月15日)の共和党州大会後、有力な保守派法律家のジェームズ・ボップ・ジュニア氏は、州知事候補に決まったマイク・ブラウン上院議員にとって「深刻な脅威」がある、という内容の極秘メモを作成した。ポリティコ(米国の政治ニュースメディア)の記者がそのメモを入手して明らかになった。
「脅威」とは、ペンテコステ派の牧師にしてポッドキャスター、そして自称キリスト教ナショナリストのマイカ・ベックウィズ氏のことである。彼は、ブラウン氏の意に反して副知事候補に選ばれた。地元紙インディアナポリス・スターが報じたように、通常なら代議員らは州知事候補が選んだ副知事候補に異を唱えることなく承認する。ところが今年、代議員らは反旗を翻し、ブラウン氏が副知事候補にしようとしたジュリー・マグワイアという州下院議員を拒否してベックウィズ氏を選んだ。ベックウィズ氏は、草の根レベルで党内に高まっている闘争的な精神的熱狂を体現する人物だ。ボップ氏は極秘メモに「ベックウィズ氏が指名されたことで、民主党は今秋(大統領選)に真剣な選挙キャンペーンを展開する糸口を得た。それはすでに始まっている」とも記した。
米議事堂襲撃翌日、神の「お告げ」
民主党にとって材料は豊富に…
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- 【視点】
私は、トランプ氏の行動を理解する鍵が、同氏の信仰にあると考えています。トランプ氏は宗教右派ではなく、アメリカの中産階級以上に信者が多い長老派(プレスビテリアン)に属しています。長老派は、スコットランドに起源を持つカルヴァン派の一潮流です。
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