「能登の酒を止めるな!」 被災地の酒蔵とコラボ、挑んだ加賀の杜氏
聞き手・安田琢典
能登半島地震で被災し、酒造りができなくなった奥能登地域の酒蔵を救うため、石川県内外の酒蔵が奥能登のレシピを忠実に再現して酒造りをしたり、一緒に新しい酒を醸したりする企画「能登の酒を止めるな!」を始めた。取り仕切ったのは、同県白山市で1930(明治3)年に創業した吉田酒造店の7代目社長で、杜氏(とうじ)の吉田泰之さん(38)だ。その狙いと思いを聞いた。
――元日の地震で、能登半島の多くの酒蔵はダメージを受けました。
県内33酒蔵のうち11酒蔵は奥能登にあります。地震の発生直後から、奥能登の酒蔵の人たちとLINEで連絡を取り合いました。そこで「うちはこのまま酒を造れる。大丈夫だ」という酒蔵はありませんでした。
幸い、うちの「手取川」や「吉田蔵u(ユー)」を醸す蔵に目立った被害はありませんでした。そこで「何かしなきゃ」という思いが強くなり、都内で日本酒の魅力を発信するイベント会社「camo」と今回の企画を思いつきました。
記事後半では、酒蔵同士が連携したことのメリットについて詳しく語っています。
――協力した酒蔵はどんなところでしたか。