第1回自民との距離めぐり混迷の維新 馬場氏と吉村氏の先鋭化する路線対立

有料記事維新混迷

小林圭 野平悠一
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 6月26日、国会内にある会議室の空気は張り詰めていた。日本維新の会の馬場伸幸代表ら、国会議員7人が見つめていたのはオンラインの画面。そこには、共同代表の吉村洋文大阪府知事の姿が映っていた。非公開だが、出席者によると応酬の口火を切ったのは吉村氏だった。

 「(大阪・関西)万博やIR(カジノを含む統合型リゾート)は国家のためにやっている。自民党のためでないはずだ」

 自民に気を使わず対決姿勢をもっと鮮明にすべきだと迫った。これに馬場氏が気色ばんだ。

 「自民と真っ向からケンカしたら邪魔されるだけ。『官邸に行って首相と会えるのは当たり前』だとは思わないで欲しい」。維新が推し進めてきた万博やIRを実現させるうえで、政府と完全に対決するわけにはいかないと主張したのだ。

 応酬はさらに続く…

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    今野忍
    (朝日新聞政治部記者=政局、選挙)
    2024年7月5日18時6分 投稿
    【視点】

     「まるで共産党と同じだな」、 それが今回の顚末を受けて維新が開いた総括での馬場代表の言葉を聞いたときに私の率直な印象です。  本文の中にもあるように、馬場氏は冒頭、 「仲間を後ろから撃つことだけは控えてほしい」と述べ、 先に「俺への異論

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    星野典久
    (朝日新聞政治部次長)
    2024年7月5日23時22分 投稿
    【解説】

    昨年12月8日の衆院予算委委員会で、馬場代表は以下のような発言をしています。 「維新の会というのは派閥はありません、全員が馬場派ということなんです」 自民党派閥の裏金事件に代表されるように、派閥はマイナス面が多分にあるのですが、同じ党内でも

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