「もう、急きょ大和の特攻を考えた」元参謀が肉声で語った作戦の真相
【連載】戦艦大和・最後の出撃を見送った男 第2回(全4回)
太平洋戦争末期、命じる側も赴く側も「成功の可能性はほぼ皆無」と考えていた戦艦大和の沖縄特攻作戦は、なぜ突然発案され、決行されたのか。記者は残された史料を手がかりに、これまで公開されていなかった連合艦隊参謀・三上作夫の録音証言にたどり着きます。そこで三上が語っていた特攻作戦立案の経緯とは――
連合艦隊最後の作戦参謀の一人、三上作夫は1988年、旧海軍・海上自衛隊の親睦団体「水交会」で戦艦大和の沖縄特攻について語っていた。同会に問い合わせたところ、三上の証言の録音は現存するが公開はしておらず、聴くには遺族の許可が必要という。30年以上も前に亡くなった人の遺族をどう探せばよいのか。途方に暮れたが、何とか旧海軍関係者のつてをたどって、神奈川県内に三上の長男夫婦が暮らしているのを知った。直接訪ねて依頼したところ、録音を聴くのを快諾してくれた。
今年3月、東京・神宮前の水交会事務局の一室で、私は三上の肉声を聴いた。証言時の三上は81歳。ややしわがれた声と落ち着いた口調で大和特攻の経緯を語っていた。
沖縄に米軍が上陸した翌日の…
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