教室に「十戒」、学校で聖書教育…信仰を押しつけるな NYTコラム

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パメラ・ポール

 政治家が「ユダヤ・キリスト教的価値観」を引き合いに出すと、大抵の場合、その後に不穏なことが続く。

 先月は二つの目に余る出来事があった。いずれも共和党の公職者がキリスト教ナショナリズムの考えを正式な形にする州法を導入したもので、2019年に設立された全米キリスト教議員協会の言葉を借りれば、「わが国のユダヤ・キリスト教の基盤を復興するためにできることはすべて行う」というものだ。

 6月19日、ルイジアナ州のランドリー知事は旧約聖書の「モーセの十戒」を公立学校の教室に掲示するよう義務づける州法に署名した。この慣行は、1980年に最高裁判所によって違憲とされたものだ。支持したのがトランプ前大統領で、「公立学校、私立学校、その他多くの場所に十戒があるのが大好きだ。読んでみろ。我々が国家として間違えることがあるだろうか」と歓声を上げた。

 その1週間後、ランドリー氏のキリスト教仲間のオクラホマ州のウォルターズ教育長は、公立学校で聖書を教えることを義務づける計画を発表した。ウォルターズ氏は聖書を学ぶことは「我々の法制度の基礎を理解する」ために必要だと述べた。

宗教を共有しなければ服従を

 疑問に思うことを許してほし…

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